2023 Fiscal Year Annual Research Report
化学物質曝露に伴う膀胱疾患の発症進展におけるプロスタグランジン合成酵素の機能解析
Project/Area Number |
21K06549
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
佐々木 由香 昭和大学, 薬学部, 講師 (40635108)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 膀胱発がん / PGIS / mPGES-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の結果より、PGIS欠損マウスではN-butyl-N-(4-hydroxybutyl)-nitrosamine (BBN)による膀胱発がんが促進されることが明らかとなった。この原因として白血球に発現するPGISが発がんに影響していることを考え、2023年度はX線を照射して骨髄細胞を枯渇させた野生型マウスにPGIS欠損マウスあるいは野生型マウスの骨髄細胞を移植し、骨髄キメラマウスを作製し、BBNを投与して膀胱発がんを評価した。その結果、野生型マウスの骨髄細胞を移植した群とPGIS欠損マウスの骨髄細胞を移植した群では同程度の発がん率であった。PGISは血管内皮細胞や白血球に発現が認められるが、白血球が発現するPGISはBBNによる膀胱発がんに影響しないことが示唆された。 次にmPGES-1欠損マウスを用いてBBNによる膀胱発がんの検討を行った。2022年度の結果と同様、mPGES-1欠損マウスでは野生型マウスと比較して膀胱発がんが抑制された。膀胱組織中PGE2量を測定したところ、BBNを投与していないコントロール群、BBN投与群ともにmPGES-1欠損マウスでは野生型マウスと比較してPGE2産生が抑制された。また、野生型マウスではBBN投与群の膀胱においてF4/80、MPO、CD4などの白血球マーカーのmRNA発現が増加していたが、mPGES-1欠損マウスではこれらの発現増加は認められなかった。mPGES-1の欠損はPGE2産生を抑制し、発がんを抑制することが示唆された。
|
Research Products
(2 results)