2023 Fiscal Year Annual Research Report
チロシナーゼ分解誘導化合物によるメラノーマ腫瘍形成抑制の分子機構解明
Project/Area Number |
21K06556
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
藤田 英明 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (80291524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 亮太 長崎国際大学, 薬学部, 助手 (10881906)
藤井 佑樹 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (80610063)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | チロシナーゼ / メラノーマ / メラノサイト / メラノソーム / リソソーム / タンパク質分解 / ユビキチン / ユビキチンリガーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)マウスにB16メラノーマを皮下移植し腫瘍を形成させ、3種類のチロシナーゼ分解誘導化合物を腹腔内投与することで抗腫瘍効果を評価したが、現在のところ有意差を示す化合物を見つけることがでなかった。予備的実験では腫瘍に直接化合物を接種することで、腫瘍形成阻害を確認していたが、再現性が得られなかった。以上の結果から、現時点では抗腫瘍効果を示す化合物の同定には至らなかった。 (2)チロシナーゼを分解に導く膜結合型ユビキチンリガーゼRNF152の作用分子機構について解析を行なった。3XFLAG-ユビキチン発現プラスミドを用いることで、感度よくチロシナーゼのユビキチン化を検出で切るようになった。その結果、チロシナーゼ分解にはRNF152の膜結合ドメインが必須であることを見出した。さらにB16メラノーマ細胞において、RNF152のsiRNAを用いたノックダウン、およびRNF152発現プラスミドを用いた過剰発現の結果、RNF152発現量とチロシナーゼ発現量およびメラニン産生量には逆相関が認められた。これらの結果から、RNF152は新規の新規色素調節因子であると結論した。以上の結果はMembranes(インパクトファクター4.2)に掲載された。また、共同実験者の上田亮太(助手・大学院生)の学位論文とした。 (3)カイコ個体を用いたヒトチロシナーゼおよびヒトTyrp-1の大量発現系を確立できた。アフィニティカラムを用いることで、ある程度精製でき、ヒトチロシナーゼについては活性測定が可能となった。マイクロカロリーメーターを用いた化合物との相互作用測定にはもう少し精製純度を高める必要がある。 (4)ユビキチンリガーゼMARCH8の抗ウイルス活性に関する研究を共同研究者とともに継続して行った。その結果はCells(インパクトファクター6.0)に掲載された。
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