2023 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of duplicate resistance to FLT3 inhibitors in acute myeloid leukemia
Project/Area Number |
21K06585
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
片山 和浩 日本大学, 薬学部, 教授 (40406963)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / FLT3阻害薬 / 重複耐性 / Wntシグナル / 二重変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Fms-like tyrosine kinase 3(FLT3)阻害薬(midostaurin, gilteritinib, quizartinib)による逐次治療後に出現する可能性のある重複耐性の分子機構を解析した。 先行研究でFLT3-ITD陽性急性骨髄性白血病細胞MV4-11からquizartinib耐性細胞(QR細胞、FLT3-ITD/D835V変異)を樹立しており、本研究ではQR細胞からmidostaurinによる選択圧で重複耐性細胞を樹立した。2022年度までに、Midostaurin選択によるFLT3変異の追加挿入は認めなかったが、Wntシグナルの活性化がFLT3阻害薬耐性の要因であることを明らかにした。 2023年度は新たに、重複耐性におけるFLT3-ITDの二重変異について解析した。先行研究で樹立したquizartinib耐性FLT3-ITD+D835VあるいはFLT3-ITD+Y842C発現Ba/F3細胞から、エチルニトロソ尿素(ENU)によるランダム変異導入とmidostaurinあるいはgilteritinibによる選択圧、クローン化を経て、重複耐性細胞を樹立した。重複耐性細胞の遺伝子解析から、FLT3-ITD+D835VあるいはFLT3-ITD+Y842C上に9種類の未知の二重変異と、2種類の既知の二重変異を同定した。未知の9種類の二重変異型FLT3-ITDをクローニングし、Ba/F3細胞に再導入して安定発現細胞を樹立した。二重変異型FLT3-ITD発現細胞を解析した結果、3種類の細胞がすべてのFLT3阻害薬に抵抗性を示した。現在は、このFLT3阻害薬の耐性機構について解析を進めている。 本研究全体を通じて、Wntシグナルの活性化やFLT3-ITDの二重変異による、FLT3阻害薬重複耐性機構を発見した。
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