2023 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of physiological substrates of osmotic stress-responsive ubiquitin ligase using genome editing, and its involvement in colitis
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21K06595
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金子 雅幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (10322827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 修治 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 部長 (20382856)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ユビキチンリガーゼ / RNF183 / ユビキチン / リソソーム / 浸透圧 / アポトーシス / 炎症性腸疾患 / トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチンリガーゼRNF183によるイオントランスポーターNa-K-2Cl共輸送体(NKCC1)のユビキチン化様式について解析したところ、RNF183はNKCC1に対してK63型のポリユビキチン鎖を形成することが明らかとなった。K63型ユビキチン鎖は一般的に基質タンパク質のエンドサイトーシスとリソソームへの輸送を促進する。このことから、RNF183はNKCC1に対してK63型ユビキチン鎖を形成することで、リソソームへの輸送を促進し、NKCC1の分解によるダウンレギュレーションに働くことが本研究で証明された。
RNF183によるNKCC1分解の生理的意義について検証するため、高浸透圧環境下でRNF183が発現する集合管由来IMCD-3細胞のRNF183ノックアウト細胞を樹立した。また、RNF183が発現していない大腸上皮由来CaCo-2細胞を用いてRNF183を過剰発現した細胞を作製し、それぞれ高浸透圧ストレスによるアポトース誘導への影響を解析した。その結果、いずれの細胞においてもアポトーシスが増加することが判明した。さらに、この時の細胞内Naイオン濃度を定量したところ、いずれの細胞も野生型の細胞と比較して細胞内Naイオン濃度が変化し、Naイオンの恒常性が破綻していることが明らかとなった。以上のことから、RNF183はNKCC1などイオントランスポーターの分解を制御することで、集合管や大腸における浸透圧恒常性の維持に働いていることが示唆された。本研究を通して、RNF183の発現が増加している炎症性腸疾患の病態メカニズムの一部が解明されたといえる。
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