2023 Fiscal Year Annual Research Report
漢方薬による腸内細菌叢を介した抗癌薬関連毒性予防効果の機序解明と支持療法への応用
Project/Area Number |
21K06614
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
西内 崇将 香川大学, 医学部, 協力研究員 (80723113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 知巳 香川大学, 医学部, 教授 (60263810)
今大路 治之 (中山治之) 香川大学, 医学部, 講師 (80294669)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がんサポーティブケア / 漢方 / がん薬物療法 / がん支持療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の開発著しいがん薬物療法で治療成績を向上させるためには、副作用など治療関連症状に対する支持療法の進歩も不可欠な課題である。十分な支持/緩和療法を治療初期から実施することで、全体の予後を改善することが示されている[N Engl J Med 2010;363:733-742]。本研究は、古来“未病を治す”薬剤として人々の健康維持や傷病平癒に用いられてきた漢方薬を、がん支持療法へ応用することで、時につらいがん治療を元気に継続し、結果としてがん治療全体の成績向上に寄与することを目的として着想し計画実施した。しかし、漢方薬の臨床的な薬効や臨床効果における個体内差や個体差に対する科学的機序は、未だ多くが解明されていない。そこで、本研究では、以下の方法により漢方薬の投与を受けた患者の腸内細菌叢と漢方薬の臨床効果との関連性に着目し、がん支持療法における漢方薬の臨床効果に関する作用機序の解明を行った。がん支持療法としての漢方薬の有効性に腸内細菌叢がどのように関与するのか、そのメカニズムを解明することにより新たながん支持療法の創出を目指している。現時点では予備研究の段階にあり、これまでの研究成果をもとに今後さらに検体数や使用するエキス製剤を増やすなど、より臨床の条件に近い研究モデルを計画している。本成果により、がん治療の副作用や合併症の症状軽減のみならず、その予防や新規のがん発症を予防したり、治療前後の体調維持改善や栄養状態の維持改善などに対しても幅広い発展性をもたらすことができると期待している。
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