2022 Fiscal Year Research-status Report
Structure-Activity Relationship Study of Macrocyclic Daphnane Diterpenoids Towards Drug discovery for HIV Cure
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21K06619
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
李 巍 東邦大学, 薬学部, 教授 (90328633)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジンチョウゲ科 / HIV / ダフナン / チグリアン / ジテルペノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
HIV潜伏感染再活性化剤(LRA)により潜伏期HIVを再活性化して除去する「Shock & Kill」戦略に基づいた新規抗HIV薬の創製は、既存の抗HIV薬の問題点を根本から克服できることが大いに期待されている。本年度は前年度に引き続きDaphne pedunculataおよび新たにEdgeworthia chrysantha、Wikstroemia lichiangensisの3種のジンチョウゲ科植物について新規抗HIV活性ジテルペノイドの探索を行った。 D. pedunculataおよびW. lichiangensisはそれぞれの全木の95%エタノール抽出物、E. chrysanthaは花蕾のメタノール抽出物について酢酸エチルと水で分配操作を行ったのち、酢酸エチル画分については各種カラムクロマトグラフィーおよび分取HPLCを用いて単離精製を行った。 その結果、D. pedunculataからは3種の新規ダフナン型ジテルペノイドを単離、構造決定した。単離した化合物について抗HIV活性を評価した結果、IC50=0.025-9.3μMの範囲で抗HIV活性を示した。W. lichiangensisからは新規化合物4種を含む計5種のチグリアン型ジテルペノイドを単離、構造決定した。単離した化合物のうち、4種の化合物はIC50=1.1-3.0nMと強力な抗HIV活性を示した。E. chrysantha(ミツマタ)からは5種の新規大環状ダフナン型ジテルペノイドを単離、構造決定した。単離した新規大環状ダフナンは炭素数14の不飽和脂肪族鎖が大環状構造を形成しており、これまでにミツマタのみからしか単離が報告されていない珍しいタイプの大環状ダフナンである。これら化合物についても抗HIV活性を評価した結果、3種の化合物がnM単位で強力な抗HIV活性を示した。この結果より、大環状ダフナンの抗HIV活性の発現には大環状環の構造変化は許容されることが示された。 今後大環状ダフナン型ジテルペノイドの構造活性相関の更なる解明およびより優れた抗HIV活性を示す化合物の発見により、HIV感染症根治薬創製の新たなリード化合物の創出が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ジンチョウゲ科植物の成分探索により、炭素数10の飽和脂肪族鎖が大環状環を形成しているgnidimacrin類の大環状ダフナンとは大環状環の構造が異なる、炭素数14の不飽和脂肪族鎖が大環状構造を形成している大環状ダフナンを見出した。これらジテルペノイドの構造活性相関の更なる解明により、HIV感染症根治薬創製の新たなリード化合物の創出が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、化学誘導体の作成に使用できる天然由来の大環状ダフナン型ジテルペノイドの探索を続け、半合成戦略に基づいた大環状ダフナン型ジテルペノイドの構造活性相関の解析を行い、活性、安定性および安全性がより高い化学誘導体の探索を行う予定である。
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Research Products
(15 results)