2021 Fiscal Year Research-status Report
mRNAシーケンスを用いたエンドファイト由来機能性物質の効率的な探索
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21K06622
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
中島 健一 愛知学院大学, 薬学部, 准教授 (70635135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 純子 (富田純子) 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (10454323)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 植物内生菌 / 天然物化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、5種の植物内生菌の産生する化合物について検討を行った。そのうち、Diaporthe sp. ECN371株からは、2種の新規化合物を含む6種の化合物の単離に成功した。化合物の構造はNMRスペクトル、マススペクトル、ECDスペクトル、単結晶X線構造解析などを用いて決定した。さらに単離した化合物についてPPARalphaアゴニスト活性を検証した結果、既知化合物であるphomopsolide Bに弱いアゴニスト活性を見出した。また、本年度は植物内生菌のみでなく、コミカンソウ科植物ヨウシュコバンノキについても成分検索を行い、稀有な構造を有する含硫スピロケタール誘導体を単離した。単離した7種の化合物のうち、3種は論文未記載の新規化合物であり、数種の化合物に抗炎症作用を見出している。今後、これらの化合物及び過去に単離した化合物についてmRNAシーケンスを実施する予定である。 また、本年度の当初計画では、mRNAシーケンスの条件検討を実施する予定であったが、配分予算を考慮した結果、条件検討に回数を割くことは難しく、リアルタイムPCRなどを用いた条件検討を実施し、残予算を次年度以降のmRNAシーケンスの本測定に充てるべきと判断した。そこで、次年度以降mRNAシーケンスを実施する化合物として選定した3種の化合物について、検討に用いる株化細胞の種類を決定した。さらに、各化合物の検討に用いる濃度をMTTアッセイによる細胞毒性試験及びリアルタイムPCR法による炎症マーカー等の変動によって決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は、植物内生菌及び植物資源から、特徴的な構造を有する天然化合物を着実に単離・構造決定している。また、mRNAシーケンスを利用した条件検討は行わなかったものの、次年度mRNAシーケンスを実施する化合物、株化細胞、濃度の組み合わせを決定できており、本研究は概ね順調に進行しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、令和4年度から本年度選定した化合物について、mRNAシーケンスを利用した遺伝子変動解析とパスウェイ解析を行い、生理活性の検索を実施する。また、植物内生菌が産生する化合物の探索については、今年度も引き続き実施し、mRNAシーケンスに供することのできるユニークな化合物を充実させる予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していたmRNAシーケンスを利用した条件検討を実施しなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、次年度計画で相当額必要となるmRNAシーケンスの経費に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)