2022 Fiscal Year Research-status Report
特殊微生物を活用した培養法の確立と新規二次代謝産物の創出
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21K06631
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| Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
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Principal Investigator |
山崎 寛之 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (70525344)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 休眠生合成遺伝子 / 二次代謝産物 / 新規活性物質 / 植物内生糸状菌 / 海洋糸状菌 / 誘導生産 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 様々な培養条件に対する高応答性菌株(特殊微生物)の効率的取得を目指し, 特殊な培養環境に耐性を示す菌株や特殊な環境に生息する菌株を材料に, 特殊環境を再現した培養条件による新しい抗生物質の生産を目標としている.
[1. 特殊な環境に対する耐性菌株の分離と作製] 昨年度分離に成功した高濃度NaI耐性菌株について代謝産物の解析を進め, NaI添加培養よりI基を含む代謝産物の生産を見出すと共に, 通常培養からは2成分の新規化合物を, NaBr添加培養からは2成分の新規化合物を取得した. 継続してNaI/NaBrに対する耐性菌株の分離/作製の検討は続けており, 生産性に特徴のある耐性菌株を新たに3株分離している.
[2. 特殊環境下からの微生物菌株の分離と培養環境の再現] 植物内生糸状菌を材料に, 生育環境を再現した培養実験(本研究では共生培養と呼ぶ)から, フキノトウ内生糸状菌にフキノトウ抽出エキスを添加した培養にて物質生産に変化を示すの菌株を1株見出し, 解析の結果からフキノトウ含有成分を修飾し新規成分へ変換していることが分かった. 共生培養にて生産性に変化を示す菌株については, 引き続きスクリーニングを行っている. また, 別のフキノトウ内生糸状菌からは通常条件の培養液より, 3成分の新規化合物を単離している.
[3. 外部ストレス応答に関わる遺伝子欠損株の解析] 昨年度, Aspergillus fumigatus の 転写因子の一つを欠損させた変異株においてfumagillinの生産が抑制され, その中間体(構造未決定)が蓄積することを見出し, 今回, 異なる親株を用いて同様の遺伝子欠損株を2株を作製したところ, １株においてfumagillin中間体の蓄積が確認された.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究最大の実験材料である種々の培養条件に対する高適応株(特殊微生物)の取得が順調に進んでおり, 得られた菌株からは効率的に新規成分が見出されている. 順次, 物質生産への変化を詳細に解析していく予定.
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度においては, これまでに得られてきた特殊微生物の物質生産性を詳細に解析すると共に, 得られた代謝産物の生物活性についても精査していきたい. また, 特殊微生物の分離や作製についても引き続き実施し, より良い分離/作製手法の開発も進めていきたい.
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| Causes of Carryover |
令和4年度においても、新型コロナウイルス感染症の影響により, フィールドワークや学会発表が実施できなかったため, それらに伴う旅費が生じなかった.
次年度においてフィールドワークは未定だが, 学会発表(日本生薬学会や日本薬学会など)での旅費使用を計画している.
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