2023 Fiscal Year Annual Research Report
植物由来天然化合物によるPiezo1阻害を介した大腸ガン抑制と正常細胞の保護
Project/Area Number |
21K06632
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高山 靖規 昭和大学, 医学部, 講師 (60711033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 健太 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 特任准教授 (60724119)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸癌 / Piezo1 / フラボノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
機械感受性イオンチャネルであるPiezo1に対する甘草由来フラボノイド(リクイリチゲニン)の阻害効果を介した大腸癌抑制について検討を続けた。マウス大腸癌由来CMT-93細胞を用いた生細胞測定においてリクイリチゲニンの投与は大腸癌を死滅させた。しかしながら、ゲノム編集により作製したPiezo1欠損株においてもリクイリチゲニンは野生型同様に有効であり、この天然化合物はPiezo1非依存的に大腸癌を抑制することが判明した。また、甘草を含む漢方薬を網羅的に検討した結果、大腸癌細胞をほぼ死滅させる漢方薬が複数発見でき、今後はヒトへの応用を目指して、その作用機序の解明を行う。 また、特定条件下において大腸癌細胞がポリープ様構造を形成することを見出し、その培養上清を他の細胞に投与するとその群においてポリープ様構造の形成が促進されることを発見した。これは新規の癌細胞転移メカニズムの発見に繋がることが期待され、今後は分子細胞生理学的にその詳細な解析に臨む。 大腸癌細胞と末梢の感覚神経との相互関係にも新たに着目し、検討を行った。大腸癌を含め癌微小環境においては炎症が生じている。炎症状態において興奮する痛み神経からは癌細胞を増悪させる因子が放出されていることが報告されている。そこで感覚神経において疼痛シグナルを促進する分子メカニズムである「TRPV1とアノクタミン1の相互作用」を検討した。この相互作用ではカプサイシン受容体であるTRPV1が活性化するとその下流でアノクタミン1が強く活性化されることで、神経興奮が増強することを報告している。この検討の結果、炎症状態において痛みを引き起こさない刺激(例・深部体温)によってもアノクタミン1が顕著に活性化することが判明した。このことは、従来の炎症性疼痛惹起モデルを一新するものである。
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Research Products
(4 results)