2022 Fiscal Year Research-status Report
ネットワークメタ解析手法を用いた新規抗リウマチ薬の有効性と安全性の比較
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21K06647
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
頭金 正博 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (00270629)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネットワークメタ解析 / 新規抗リウマチ薬 / 有効性 / 安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】関節リウマチ(RA)の薬物治療では、複数の生物学的製剤(bDMARDs)や分子標的型合成抗リウマチ薬(tsDMARDs)が開発されているが、これらの有効性や安全性を直接比較した研究は少ない。そこで本研究では、複数の臨床試験の結果を間接的に比較することを可能にするネットワークメタ解析(NMA)により、12種類のb/tsDMARDs・メトトレキサート(MTX)併用療法の有効性と安全性を比較した。 【方法】医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公表している申請資料概要及び審査報告書、PubMed、EMBASE、CENTRAL、医中誌からRA患者を対象としたb/tsDMARDs・MTX介入のMTX対照無作為化比較試験を抽出した。有効性の複合指標であるACR改善率と、安全性の指標となる感染症等の有害事象の頻度について、頻度論的NMAモデルを適用し、P-scoreを算出して各治療法の比較評価を行った。 【結果】対象の78試験において、有効性に関するACR改善率のP-scoreは、インフリキシマブ、エタネルセプト、セルトリズマブの各薬剤とMTXとの併用で高い値を示した。安全性に関して、感染症及び重篤な有害事象のP-scoreは、エタネルセプト、サリルマブ、アバタセプトの各薬剤とMTXとの併用で高い値を示した。 【結論】新規抗リウマチ薬において、エタネルセプトとMTXの併用は相対的に有効性と安全性型が高く、有用性の高い治療法である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3カ年計画の2年目の研究成果として、複数の新規抗リウマチ薬の臨床データを用いて、間接的に各新規抗リウマチ薬の有効性と安全性を比較することができた。この成果は、医療薬学会等で2023年度中に発表する予定であることなどから、当該研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ネットワークメタ解析の新規手法である、ベイジアンネットワクークメタ解析手法を用いて検討し、通常のネットワークメタ解析の結果と比較することで、得られた結果の頑健性を確認する。頑健性が確認できた場合は、原著論文を作成して研究成果を公表する。
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Causes of Carryover |
2022年度は、研究そのものは順調に進捗したが、研究成果を学会および原著論文として発表するタイミングがなかった。2023年度は、研究を巡邏医の計画に沿って進捗させるとともに、2022年度の成果を学会および原著論文として発表する予定である。次年度使用額は、主に成果発表のために使用する。
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Research Products
(4 results)