2021 Fiscal Year Research-status Report
新規ビタミンEエステル型プロドラッグによるNASHに関連した心血管リスク抑制効果
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21K06659
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
渡瀬 大輔 福岡大学, 薬学部, 助教 (00580200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 允久 福岡大学, 薬学部, 准教授 (60570801)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の発症機序として、肝に中性脂肪(TG)沈着が起こり(First hit)、さらに肝障害を招く要因が加わる(Second hit)”Two hit theory”が広く支持されている。さらに、NASHにおいて心血管系疾患の発症率や死亡率も2倍以上上昇することが明らかとなっており、メタボリックシンドロームの幅広い危険因子とは無関係に、NASH自身が動脈硬化や心筋梗塞などの心血管リスクの増加に関連していることが報告されている。よってNASH治療を考える場合、NASHの症状を抑制しつつ、併発する可能性の高い心血管リスクも抑制できるかどうかが重要であると考えられる。 NASH治療法は未だ確立されていないが、近年トコトリエノール(T3)の有用性が報告されており、中でもγ-T3が注目されている。我々はこれまでに、本研究室で開発したγ-T3の水溶性エステル型プロドラッグ2R-γ-Tocotrienyl N,N-dimethylglycinate hydrochloride (γ-T3DMG)がin vitro及びin vivo脂肪肝モデルのTG量を有意に抑制すること、即ちFirst hitへの有効性を明らかにした。本年度は、動脈硬化モデルApoE KOマウスを用いたγ-T3DMGによる心臓の動脈硬化巣の形成・進展及び不安定化に与える影響の研究を予定していたが、度重なる緊急事態宣言により長期間にわたる動物実験計画の見通しが立たなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
度重なる緊急事態宣言の影響により学内立ち入りを制限される可能性を考慮すると、時間を要する動物実験の見通しが立たず、動脈硬化モデルApoE KOマウスを用いたγ-T3DMGによる心臓の動脈硬化巣の形成・進展及び不安定化に与える影響の研究を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
動物を用いた研究は評価期間が長期に渡るため、コロナ情勢により研究活動が制限される可能性を考えると、次年度は比較的短期間でも実施可能な細胞を用いた研究(最終年度に予定していたin vitro実験)を前倒して実施する計画にしている。よってγ-T3DMGによるNASHに関連した心血管リスク抑制効果に関する研究はin vitroモデルを中心に実施し、コロナ情勢を鑑みながらin vivoモデルによる評価を並行して行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
度重なる緊急事態宣言の影響により研究活動が大きく制限されてしまったことで、γ-T3DMGによるNASHに関連した心血管リスク抑制効果に関する詳細な評価が行えず、その研究費が次年度使用額となった。コロナの情勢次第ではあるが、今現在in vitroモデルおけるγ-T3DMGの有効性の評価を中心に研究を進めながらin vivoモデルによる評価も計画しており、次年度中に使用する予定である。
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