2023 Fiscal Year Annual Research Report
Drug discovery strategies for multifaceted antioxidant therapy using functional polysaccharides for oxidative stress-related diseases
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21K06661
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
安楽 誠 崇城大学, 薬学部, 教授 (60398245)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キトサン / ナノファイバー / 酸化ストレス関連疾患 / 経口製剤 / 機能性多糖類 / 抗酸化作用 / 吸収性改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,生活習慣病をはじめとした酸化ストレス関連疾患に対して,機能性多糖素材と既存薬物及び既存サプリメントとのコンビネーションによる新たな抗酸化作用を活用した多機能性経口製剤を設計し,酸化ストレスを軽減させる新たな治療及び予防戦略を提案することを目的とした. はじめに,カチオン性多糖類であるキトサン及びそのナノファイバーとアニオン性環状オリゴ糖であるシクロデキストリンにより調製したハイドロゲルが,適度な強度と安定性を維持し,含有薬物の可溶化能を示すことを見出した.一方,ゲルからの薬物の放出に際し,顕著な徐放性を見出せなかったことから,経口製剤の設計にあたり,最も服用しやすい剤形である錠剤に着目した. これまでにカチオン性多糖類であるキトサン及びそのナノファイバーは多機能性を有することから,キトサンを用いての錠剤化さらには配合型錠剤の開発が期待されている.しかし,通常のキトサン粉末は水に接触するとゲル化しやすいため,その顆粒や錠剤の崩壊性は著しく低下する.この欠点を改良するため,特殊な条件の下,分散性に優れた造粒キトサンの設計に成功した.さらに抗酸化作用をはじめとした多機能性を有する食品素材 (分散型造粒キトサン及び機能性食品素材カテキン) の組み合わせにより分散型多機能性錠剤を調製し,その有効性についてin vitro研究において明らかにしてきた. これらin vitroの結果をもとに,最終年として造粒キトサン錠と未造粒キトサン錠を用い,脂質異常症モデルラットにおける効果について検討した結果,崩壊性および分散性に優れた造粒キトサン錠において,脂質異常症等に対する有効な錠剤として機能することが確認された.今後,配合型キトサン錠についても同様の検討を行う予定であり,今後の造粒キトサン単独錠及び配合錠の様々な病態への応用が期待される.
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