2021 Fiscal Year Research-status Report
新型コロナウィルス感染症による糖尿病患者の受診控えおよび重症化に関する研究
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21K06666
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 都美 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (30635066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 正人 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80598714)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 新型コロナウィルス感染症 / 受診控え / 糖尿病 / 外出自粛政策 / 健康影響評価 / レセプトデータベース / 分割時系列分析 / 重症化予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国における糖尿病罹患者は300万人以上とされ、平成9年の糖尿病実態調査によれば糖尿病が強く疑われる者は約1,000 万人とも推定されている。糖尿病が重症化すると、網膜症や腎症、神経障害などの合併症を引き起こし、末期には失明や透析治療が必要となることから、適切な受診と薬剤による重症化予防、血糖コントロールが重要である。また糖尿病は脳卒中や虚血性心疾患などの心血管疾患の発症や進展を促進することからも、医療経済的観点でも社会における疾病負荷が高い疾患であり、その制圧が強く求められている。
2020年初頭より流行したCOVID-19は、我が国においては4月に緊急事態宣が発出され、人々は外出自粛を余儀なくされた。医療機関においては、感染への不安などを理由に小児科や耳鼻科外来を中心とした受診控えがみられたとされ、医療情報総合研究所の報告によれば、2020年4月における受診患者数は前年比の調剤レセプトで約40%減とされる。一方、糖尿病患者の受診動向に関しては、定期受診の必要性などから、小児科や耳鼻科ほど受診控えは見られなかったとされるが、外出自粛によるストレスや運動不足、食生活の変化による血糖コントロールの悪化が糖尿病患者において懸念されている。本研究では、COVID-19による外出自粛が糖尿病患者の受診控えや血糖コントロールに与えた影響について、特定健診データを含む大規模レセプトデータベースに加えて、カルテ由来の診療情報データベースを用いて大規模に検討することを目的とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、先行研究の整理、研究プロトコルの作成と倫理申請、および対象者のデータ抽出までを終え、解析のための準備を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、抽出データの解析を進め、論文としてまとめたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度も学会や研究会はオンライン開催が多く、当初の予定よりも旅費支出が少なかった。COVID-19の流行状況にもよるが、次年度は旅費支出が増える見込みである。
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