2023 Fiscal Year Annual Research Report
新型コロナウィルス感染症による糖尿病患者の受診控えおよび重症化に関する研究
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21K06666
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 都美 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30635066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 正人 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80598714)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | COVID-19 / 受診控え / 糖尿病 / 重症化予防 / レセプトデータベース / 診療情報データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、得られたデータセットを用いて新型コロナウィルス感染症(COVID-19)流行下における糖尿病患者の受診傾向について分割時系列分析を実施した。最終的な解析対象者数は、2017年から2021年までに医療機関を外来受診し、糖尿病の病名が付与された341,667人(うち男性184,257 人 (53.9%)、女性 157,410 人 (46.1%))であった。これらの患者を月毎に集計し、60ヶ月の期間として解析した結果、COVID-19の流行が拡大し始めた2020年2月の介入ポイント前後で、糖尿病患者の外来受診は約6%程度減少し、初診においては約16%減少していた。再診患者では約2%程度の減少に留まっていたが、尿検査やHbA1cの測定件数も減少しており、診察時に検査を控えた可能性も示唆された。血糖コントロールに関しては、HbA1cの平均値でみると全期間で横ばいであった。以上より、COVID-19流行下において糖尿病患者の受診控えは一定程度みられたものの、患者の病状悪化までは至らなかったことが示された。本研究の限界として、対象期間に診療情報データベース上で糖尿病の病名がついた患者をマクロに分析しており、推定値がデータベースに収載されている件数に影響を受けている可能性がある。今後の検討としては、データベース内でコホートを作成し、各患者を追跡することでより結果の精度を高めることが考えられる。 本研究の総括として、最終年度中に解析結果まで得ることができたものの、研究実施者の異動などもあり当該年度中に論文化までの時間を十分に確保することができなかった。そのため次年度以降速やかに論文化し、国際誌等へ成果を発表したいと考えている。
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Research Products
(6 results)