2021 Fiscal Year Research-status Report
バセドウ病眼症ステロイド治療向上のための新しい病態マーカーの確立
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21K06667
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松澤 和彦 鳥取大学, 医学部, 助教 (50631321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 佳子 鳥取大学, 医学部, 講師 (50304209)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バセドウ病眼症 / 涙液 / メタボローム |
Outline of Annual Research Achievements |
涙液、血液を検体としてバセドウ病眼症に対する適切な治療選択のためのマーカーを確立する研究計画を立てた。マーカーの候補となる因子はすでに涙液網羅的メタボロームで絞り込めている涙液中核酸代謝物(Guanosine, Inosine, Uridine, Uric Acid)、およびEBV再活性化指標(TRAb-IgG, IgM)としている。ステロイドパルス療法を実施し、その奏効率とマーカーの関連を評価する研究であり、ステロイドパルスを実施し、検体採取ができた件数は13例であった。ある程度安定して症例が確保できたものの、当初の予定をやや下回る症例数であった。さらに、涙液採取に際して、不快感が強い症例やドライアイが強く涙液が確保できない、眼球突出が高度であり下眼瞼からの毛細管での吸い上げが困難な症例が多く、検体採取にさらなる工夫が必要な状況となっている。シルマー試験紙による涙液採取を検討している。血液検体に関しては全症例に対して安定して採取確保している。涙液、血液検体いずれもマーカー確立のための評価方法にELISAを考えているため、一定数以上の検体が集まった段階で解析を計画しているため本年度は具体的な解析は実施できていない。血液検体は安定して確保しており、予備検体も多く保管している。 涙液回収が困難であった場合、血液中のマーカーの確立に注力することになる。その場合は涙液で候補因子を絞り込んだ時のように血液検体を用いて網羅的メタボローム解析を実施し、新たにマーカー候補を特定することも検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例数が当初の計画より確保できていないこと、涙液採取量が安定して確保できず、下眼瞼円蓋からの毛細管採取以外の手法を検討している点から涙液中核酸代謝物測定及びEBV再活性化評価の実施に遅れを生じている。 涙液確保はシルマー試験紙などを用いて代用を検討しており、また症例数も当初の予定よりは少ないものの一定数は集積しており次年度に挽回可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
涙液採取に関してはシルマー試験紙などによる安定した確保を開始している。また血液検体は安定して確保を続けている。一定数集積した時点でELISA法により涙液中核酸代謝物、血液検体中のEBV再活性化マーカーの測定を実施する。 シルマー試験紙で涙液中の核酸代謝物の測定ができるかどうか、その精度は良好かどうか、課題点である。涙液での安定した検体確保が困難であれば、安定して採取し、予備検体も豊富な血液検体をメタボロームあるいはプロテオーム解析を実施し血中マーカーの探索に注力することも考えている。
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Causes of Carryover |
症例数や涙液検体の収集が当初計画より確保が難しく、ELISAによる測定などが滞ったため大きく必要経費が下回った。しかし、次年度には検体確保が十分となる見通しであり、今年度使用しなかった経費を使用する計画である。
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