2023 Fiscal Year Annual Research Report
バセドウ病眼症ステロイド治療向上のための新しい病態マーカーの確立
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21K06667
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松澤 和彦 鳥取大学, 医学部, 助教 (50631321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 佳子 鳥取大学, 医学部, 講師 (50304209)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バセドウ病眼症 |
Outline of Annual Research Achievements |
バセドウ病眼症のステロイド奏功性を予測するバイオマーカー確立のため涙液、血液を検体として研究を遂行した。しかし涙液は安定して採取することが困難であり、血液検体を用いた研究を実施した。 2022年度までにバセドウ病眼症治療前10症例、バセドウ病3例、健常者3例の血清を用いて網羅的プロテオーム解析(高深度DIA解析)を実施した。バセドウ病眼症10症例はその後の治療反応性から6例が治療効果あり、4例が治療効果なしであった。 プロテオーム解析の結果、タンパク間相互作用が強い分子や既報でバセドウ病眼症の病態に関与が強く示唆される分子を絞り込み、Carbonic anhydrase1, 2, TGF beta, Progranulin, Vitronectin, Heparanase, Inhibin E chainの7分子をバイオマーカー候補とした。 2023年度には、上記のバセドウ病眼症10症例(治療効果あり6例、治療効果なし4例)に集積された症例を加えて最終的に治療効果あり17例、治療効果なし7例として上記分子に対してELISAを実施した。Carbonic anhydrase1は治療効果あり症例で有意に高値、有意差は認めなかったもののTGF betaは治療効果なし群で高い傾向を認めた。 またプロテオーム解析結果の群間のFold changeに重きおいて再度データを見直し、Fibrinogen likeもバイオマーカー候補分子として今後の解析に加えていく予定である。 治療奏功性の予期するバイオマーカー分子としてはCarbonic anhydrase1が本研究を通じて同定された。さらに症例を集積し、検証していく方針である。
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