2021 Fiscal Year Research-status Report
A multicenter prospective observational study of sodium-glucose cotransporter-2 inhibitor-associated postoperative ketoacidosis: the SAPKA study
Project/Area Number |
21K06676
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
関 博志 杏林大学, 医学部, 准教授 (80348763)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅田 香苗 杏林大学, 医学部, 教授 (40224711)
近藤 一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50266623)
志賀 俊哉 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (50343596)
安田 和基 杏林大学, 医学部, 教授 (80311611)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | SGLT2阻害薬 / ケトアシドーシス / 周術期 / 副作用 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
杏林大学では2021年1月から、他の施設でも順次患者リクルートを開始し、計画通り初年度に全ての参加施設で患者リクルートを開始することができた。当初17施設が参加予定であったが、1施設はマンパワーの問題で参加をとりやめた。このため、全16施設でデータ収集が進行している。また申請時に投稿中であった研究プロトコルはBMJ Open誌にアクセプトされ掲載された。 その後も研究は順調に進行しており、2022年4月20日現在685例の同意を取得し、560例のデータがUMIN Indiceに登録されている。新型コロナの感染蔓延により各施設で手術制限や延期・中止などが生じており、同意を取得した全ての症例でデータ収集が行われているわけではないが、全体の進行としては極めて順調であり、当初の計画通りもしくはそれ以上のペースで研究は進んでいる。これまでのところ研究進行に際し問題等は発生しておらず、引き続き研究を進めてゆく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
SGLT2阻害薬の処方数は年を追うごとに急激に増加しており、この1、2年だけでも周術期にSGLT2阻害薬を服用している患者数が増加している印象がある。このため当初の計画よりも早く症例リクルートが進んでいるものと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
既に目標症例数750例中560例の同意を取得しており、現在のペースで引き続き研究を進めてゆく。2019年にSGLT2阻害薬に関連した周術期のケトアシドーシス (Sodiumglucose cotransporter 2 inhibitor-associated perioperative ketoacidosis: SAPKA) に関する総説が発表されたが(Thiruvenkatarajan V, et al. Br J Anaesth 2019)、その後も世界中からSAPKAの症例報告が発表され続けている。我々は、現在行なっている研究とあわせて、これらの症例報告をまとめ、SAPKAのリスク因子を探索するためのシステマティックレビューを開始している (現在PROSPEROでプロトコルの評価が行われている)。今年度中にシステマティックレビューを完了させる予定である。また、研究を進めている中で、SGLT2阻害薬を術前に休薬しても、長期間にわたりその薬効が残存する (尿中への糖排泄が持続する) 症例が存在することを見出している。今後は、どのような症例でこのような現象が生じるかについても明らかにしてゆく必要があると考えている。さらに、最近一部のSGLT2阻害薬が心不全治療薬、腎保護薬としても認可されたため、今後糖尿病以外の患者に処方される例が増加することが見込まれる。これらの患者においてもSAPKAが発生する可能性があり、今後その発生率やリスク因子解明を行なっていきたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
300例のデータが集積された時点で中間解析を行い、ケトアシドーシスの発生頻度が1%を超えた場合は国内外の学会および学術誌で公表する予定であったが、300例のデータ解析ではケトアシドーシスの発生はなく、結果公表にかかる費用が不要となった。また、データ整理などの事務作業のための人件費を計上していたが、新型コロナウィルス感染症蔓延により全ての事務作業を自ら行った。これらの理由により実支出額が所要額を下回ることになった。
|
Research Products
(4 results)