2023 Fiscal Year Annual Research Report
Practical utility of liquid biopsy for management of pancreatic cancer chemotherapy
Project/Area Number |
21K06679
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
伊藤 由佳子 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (30278444)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌 / 血中循環腫瘍細胞 / PK-PD / バイオマーカー / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌化学療法施行時のCTCの時間的推移について、ヒト膵癌由来SUIT-2細胞含有xenograftマウスモデルに対するGnP治療群と無処置群の2群に分けて、週一回投与を9週間にわたる長期治療時のCTC動態を検討した。その結果、CTC数は治療回毎に一過性の上昇を認めるものの、治療回数に伴ってCTC数が減少する推移傾向がみとめられた。これは、FORFIRINOX療法においても同様であり、治療効果を反映するシグナルと考えられた。一方で、無処置群においては、治療期の後半以降においてCTC数の上昇傾向が示され、病態の進行状態を示すことが認められた。さらにin vitroでの腫瘍組織の観察結果から、治療初期と後期では、初期において組織内の細胞分裂が抑制されていたものが治療後期において細胞分裂部分が増加し、壊死部分と分裂部分が混在する不均一性を示していた。このことは、治療直後では、薬剤による細胞への分裂抑制効果によって血中えとCTCとして一過性に増加することが認められたことと一致し、治療直前までに分裂が再開され、これらの現象が治療回数とともに同時に腫瘍組織内に認められた結果であることが考察される。従って、このCTC推移に関する抗癌剤との数理学的モデル確立によって、検出されたCTC数から治療効果を予測し得ることで、抗がん剤の用量設定の適正化の一助となることが考えられた。今後はモデル構築とシミュレーションから、FORFIRINOX療法とGnP療法の両レジメンについての予測精度の高い治療予測システムへと完成予定である。
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