2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of prevention for cisplatin-induced ototoxicity based on analysis of clinical big data
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21K06689
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池村 健治 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (70513935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 真弘 大阪大学, 医学部附属病院, 教授 (70252426)
西村 有平 三重大学, 医学系研究科, 教授 (30303720)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シスプラチン / 有機カチオントランスポータ2 / 難聴 / 医療リアルワールドデータ / 薬物間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
シスプラチン(CDDP)の重大な副作用である難聴は不可逆的かつQOLの著しい低下をもたらすため、治療継続の大きな妨げとなる。CDDPによる難聴の有効な予防法は未だ不十分な状況にあり、有効かつ安全な難聴予防法の確立は喫緊の課題である。CDDPの難聴発症には、有機カチオントランスポータ2(OCT2)を介した内耳蝸牛中へのCDDPの蓄積が関与すると報告されており、OCT2阻害作用を有する薬物は、CDDPの難聴に対する予防薬となる可能性を秘めている。最終年度ではFDA有害事象報告(FAERS)データベース解析から新たに15種類のOCT2阻害候補薬を同定した。hOCT2を安定発現させたヒト胎児腎由来HEK293(HEK-hOCT2)細胞を用い、OCT2の基質化合物である4-(4-(dimethylamino)styryl)-N-methylpyridinium iodide (ASP+)の細胞内取込に対する阻害実験を行ったところ、4種類の化合物が10uMの濃度で50 %以上の阻害効果を示した。さらに、最も強い阻害効果が認められた化合物について、hOCT2を介したCDDPの細胞内取込に対する阻害実験を行ったところ、ASP+と同様にCDDPに対しても強力な阻害効果が確認できた。以上より、FAERSデータベース解析から新たに同定したこの化合物についてもCDDPの難聴予防薬への応用が可能である可能性が示唆された。
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