2023 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー細胞死を標的とする新規肺腺癌治療薬の開発
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21K06691
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
南 謙太朗 宮崎大学, 医学部, 薬剤師 (20735956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 龍二 宮崎大学, 医学部, 教授 (50398278)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オートファジー / 肺腺癌 / がん抑制遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、オートファジー細胞死のメカニズム解析おいてRNAseqから得られた情報を基に解析を行った。 Bcl2とBeclinとの結合はオートファジーが抑制された状態にあるが、BHLHE41が発現した際にBcl2の発現が減少することがわかった。この結果からBcl2の発現低下がオートファジー細胞死の誘導メカニズムに関わっていることが示唆された。また、このときGAPDHも発現が減少することからGAPDHの減少による発現低下もオートファジー細胞死に関わっている可能性も示唆しているが、今後、詳細に検討する必要がある。 昨年度から選択的オートファジーの関与についても検討しており、関連する遺伝子のプロモーター領域のクローニングを行ってきた。BNIP3に関しては発現増加がマイトファジーに関わる報告があるが、BHLHE41の発現によって逆に減少する結果となっている。プロモーター活性に関してもBHLHE1の発現によって低下することからBNIP3に関しては関わっていないことが明らかになったがBHLHE41がBNIP3を転写調節において直接制御している可能性が示唆された。AIFM2も同様な結果となっており、少なくともオートファジー細胞死のメカニズムについてはBcl2の関与が示唆され、オートファジー細胞死とフェロトーシスの関係については今後さらなる検討が必要である。 BHLHE41の発現時にBAXとBCL2の発現が低下することからアポトーシスは関与しておらず、むしろBcl2の発現が低下することでオートファジーが起こっていることが示唆された。GAPDHの低下も関与している可能性はあるもののこれまで報告のある分子はBHLHE1によって変化していない可能性が考えられた。BHLHE41の発現時にフェロトーシスも起こっていることから選択的オートファジーが関与していることが考えられ今後さらに解析が必要である。
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