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2023 Fiscal Year Research-status Report

小腸に発現する機能未知OATPトランスポーターの薬物吸収における役割の解明

Research Project

Project/Area Number 21K06692
Research InstitutionTohoku Medical and Pharmaceutical University

Principal Investigator

森本 かおり  東北医科薬科大学, 薬学部, 講師 (90401009)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 石井 敬  東北医科薬科大学, 薬学部, 講師 (00735714)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
KeywordsOATP / トランスポーター / 小腸 / 局在
Outline of Annual Research Achievements

ヒトOrganic anion transporting polypeptide(OATP)の中で、OATP4A1の小腸上皮細胞における遺伝子発現量は、OATP2B1、2A1に次いで3番目に高いことをこれまでに明らかにした。OATP4A1の薬物吸収における役割は十分に解明されていないこと、最も発現量が高く多くの両親倍性薬物の吸収に関わると考えられてきたOATP2B1の発現は側底膜側である可能性が示唆されており、その薬物吸収における役割に疑問が生じたことから、本年度よりOATP4A1の薬物吸収における役割に着目し研究を進めた。ヒト小腸における局在を免疫組織化学染色により解析したところ、上皮細胞全体が染色され、細胞膜上のみならず細胞内にも本トランスポーターが発現し、機能していることが示唆された。本結果は、Protein Atlasに報告されているデータとも一致するものであった。仮にその局在が小胞体であった場合、OATP2B1などが細胞内に取り込んだエストロン-3-硫酸を、ステオロイドサルファターゼの活性部位が存在する小胞体内腔側に運ぶ役割を担うのではないかと新たに仮説を立てた。HEK293T細胞にOATP4A1-GS-3xFlagを強制発現させ局在解析を共焦点顕微鏡で行った。その結果、主に細胞の輪郭が染色され、細胞膜上の発現が推察された。これはヒト小腸組織切片での我々の結果や大腸がん組織切片で報告されている結果と異なったものであった。現在、極性細胞や消化管由来細胞で同様の検討を行うべく、実験が進行中である。また、OPATP4A1はエルロチニブ耐性に関与する可能性が報告されていることなどにも着目し、輸送機能の解析を進める予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

OATP2B1の局在や輸送の方向性を発現系あるいはKO細胞(Caco-2)で検討する予定であったが、実験系の作成が難航しかなりの時間を要した後、断念した。新たにOATP4A1の解析に切り替えて実験を進めてきたが、研究協力者の助力を得られず、実験が大幅に遅れることとなった。現在、一人で研究に取り組んでおり、研究の進捗は遅い状況が続いている。

Strategy for Future Research Activity

OATP4A1-GS-Flag発現系での局在解析をヒト大腸がん由来細胞であるHT-29細胞や極性細胞であるMDCK細胞等で再度確認する予定である。安定発現細胞の作成にも取り組む必要がある。機能解析はOATP4A1の局在が細胞膜上である場合には、エルロチニブの輸送を中心に進め、多剤耐性との関連性について考察する。一方、細胞内(小胞体)である場合には、エストロン-3-硫酸の脱硫硫酸活性への影響を解析する。

Causes of Carryover

研究の進捗が大幅に遅れており、目標を達していない。これには研究期間後半で研究方針を大きく変えたことが起因しており、成果を得るためには、さらに研究期間を延長して実験を行う必要がある。
OATP4A1安定発現細胞の作成、エルロチニブあるいはエストロンー3-硫酸測定系の立ち上げ、OATP4A1局在解析のための標識抗体の購入等が予定している主な使途である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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