2023 Fiscal Year Research-status Report
Individualization of oral hypoxia-inducible factor prolyl hydroxylase inhibitor dosage based on gene polymorphisms related to drug responsiveness
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21K06707
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
新岡 丈典 弘前大学, 医学研究科, 教授 (20722276)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素阻害薬 / バダデュスタット / OATP1B1 / SLCO1B1遺伝子多型 / コプロポルフィリン / 薬物動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
11名の患者(男女比:5:6、平均年齢:64.3歳、平均eGFR:21.2 mL/min)から得られた、バダデュスタット投与後12時間目に採血した計61ポイントの血液サンプルを用いて、血漿中濃度を測定した。本測定には、昨年度、本研究課題において開発した、HPLC-UV法によるバダデュスタット血中濃度測定系を用いた。OATP1B1遺伝子多型(SLCO1B1*1a、*1b、*15)については、リアルタイムPCR装置にてTaqMan試薬を用いて解析した。また、同血漿サンプルを用いて、OATP1B1活性の内因性バイオマーカーであるコプロポルフィリン(CP-1)の血漿中濃度をUPLC-MSMSにて測定した。バダデュスタットの血漿中濃度を投与量で補正したC12h/DとSLCO1B1遺伝子多型及びCP-1濃度との関連について解析した。SLCO1B1 *15アレル保有者は非保有者に比べ、バダデュスタットのC12h /Dが有意に高値であり(61.2 vs. 38.3 μg/mL/g、P = 0.005)、CP-1血漿中濃度も同様の結果であった(0.73 vs. 0.38 ng/mL/g、P < 0.005)。また、バダデュスタットのC12h /DとCP-1濃度との間に有意な相関が認められた(ρ = 0.479、P < 0.001)。本研究成果については、第18回日本腎臓病薬物療法学会学術集会・総会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度末で本研究成果を論文化して発表する予定であったが、血液サンプルの収集が当初の計画より遅れたため、研究期間を1年延長することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、バダデュスタット投与患者における薬物動態-薬物動態関連遺伝子多型解析(PK-PD解析)は概ね終了し、論文化の作業を進めている。加えて、本薬の薬効に影響を及ぼす可能性があるEPAS1やARINT2遺伝子多型解析を進め、ヘモグロビン値との関連について解析し、結果を報告する予定である。
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Causes of Carryover |
延長期間内における検討を充実させた方が、研究遂行上、有益であると判断し、今年度の計画を見直した結果、研究立案当初の予算と僅かに差額が生じた。R6年度は、薬物応答性遺伝子多型解析用試薬の購入費用として、残りの予算を使用する予定である。
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