2023 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation and clinical evaluation of foam formulations for the treatment of oral mucositis.
Project/Area Number |
21K06713
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
内田 信也 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (80372522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 紫茉子 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (10559925)
小田切 圭一 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (70529213)
柏倉 康治 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (70746403)
乾 直輝 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80402254)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フォーム製剤 / 口内炎 / 院内製剤 / 製剤学的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん治療において口内炎に対する予防及び治療は重要である。本研究では、がん治療における口内炎の予防・治療に対する含嗽用フォーム製剤の開発とその臨床効果の検証を目標とした。 口内炎治療にエビデンスのあるベンジダミン(Ben)、デキサメタゾン(Dex)、アロプリノール(All)及びポラプレジンク(Pol)を選択し、それらの薬物を含有する口内炎治療用フォーム製剤について院内製剤としての調製法を確立した。Ben, Dex及びAllを含有したフォーム溶液を容器から連続10回吐出した泡中の薬物含量を測定したところ、その薬物含量は、それぞれ99.3、98.1及び92.3%であった。さらにPol口腔内崩壊錠から調製した含嗽用フォーム製剤について薬物含有率は概ね院内製剤としての使用が許容できる範囲であった。 さらにPolを含有したフォーム製剤を院内製剤として調製した。抗がん剤治療を受けているがん患者10名を対象に、抗がん剤投与後より本製剤を使用した。また対照群として背景因子の近似した患者20名自覚症状および臨床検査値を調査した。本製剤の服用感について5-point scaleにより評価したところ、5点(非常に好ましい)ないし4点(やや好ましい)と評価した患者は10名中7名であった。口腔粘膜炎の発現状況を有害事象共通用語基準により評価したところ、フォーム製剤使用後において使用前から改善した症例が3名と対照群(0名)に比べ有意に高値を示した。臨床検査値異常および消化器症状の発現頻度は、フォーム製剤使用患者では対照群と有意な差異は認められなかった。 以上よりフォーム製剤において口腔内に適応する製剤としてふさわしい物性を明らかにし、院内製剤として調製されたフォーム製剤が、抗がん剤の副作用による口腔粘膜炎を有する患者に許容される服用性を有することが示唆された。
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