2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of educational solution that utilize modality to propose the prescription and prevent polypharmacy
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21K06725
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
徳永 仁 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (60369171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 重徳 九州保健福祉大学, 臨床心理学部, 教授 (10200974)
高村 徳人 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (20369169)
緒方 賢次 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (90509580)
興梠 靖幸 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (80908898)
園田 純一郎 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (00551293)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 処方提案 / 多剤服用防止 / モダリティー / 教育ソリューション / eラーニング教材 / 超音波画像装置 / ポケットエコー / シナリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、在宅医療において最もモダリティーとして汎用されている携帯型超音波画像装置(ポケットエコー)を利用し、薬学生に対して予備的試験を行い、薬剤師としての活用法について意識調査を行った。 薬学4・5年生の21名に対してポケットエコーの使い方を説明後、膀胱内尿量測定ファントムを用いて尿量(50 mL,150 mL,300 mL,尿閉・バルーン入り)を評価してもらった。評価後、アンケート調査(エコーの用途、興味度〔5段階評価:とても興味がある;5~全く興味はない;1〕、必要性〔5段階評価:とても必要である;5~全く必要でない;1〕、難易度〔実習後のみ,5段階評価:とても簡単;5~とても難しい;1〕および感想)を実施した。 ファントム内尿量50 mL、150 mL、300 mL、尿閉・バルーン入りモデルの正答率は、それぞれ95.2%、95.2%、76.2%、81.0%であった。よって、尿量の少ない場合はある程度の評価は可能であったが、尿量が多い場合などは難易度が上がる傾向がみられた。興味度の中央値は実習前が2、実習後が3となり、興味度は有意に上昇した(p<0.05)。必要性の中央値は実習前が2、実習後も2であった。難易度の中央値は実習後が4となった(実習前は未実施)。「薬剤師がエコーを用いて何ができるか?」の質問に対しては、「病棟や在宅において薬物治療の効果や副作用が確認できる」や「尿閉による抗コリン薬の薬剤選択や心臓の機能の把握に活用できる」などの意見が得られた。実習前後においてポケットエコーに対して興味度は有意に増加したが、必要性に対してはやや増加するに留まった。 これらの研究成果を活かして令和4年度は、ポケットエコーを活用したバーチャル患者のシナリオ作成を行い、携帯型心電図計などの新たなモダリティー活用の模索を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、ICTを駆使してモダリティーを活用した教育ソリューションを開発する予定である。具体的には、モダリティーとして位置づけられる心電図、超音波画像、X線写真、CT画像およびMRI画像などのモダリティーを活用した処方提案・多剤服用防止を目的とした症例体験システムの構築である。そこで、薬剤師・薬学生がバーチャル患者の情報、フィジカルアセスメントやモダリティーから得られた数値や画像を確認しながら、処方提案を体験できるようなシナリオを作成する必要がある。当初の計画では、令和3年度は「モダリティーを活用したバーチャル患者のシナリオ作成・入力・検証」までを行う予定であったが、実際に我々自身もモダリティーの薬剤師としての使用法と活用法については熟知していないのが現状であった。よって、最も在宅においてモダリティーとして汎用されている携帯型超音波画像装置(ポケットエコー)を購入後、膀胱内尿量測定ファントムなどを利用し、薬剤師として処方提案と多剤服用防止などに対して、どのような活用法があるのかを検討した。そのために令和3年度は、ポケットエコーを利用し、薬学生に対して予備的試験を行い、薬剤師としての活用法について意識調査を行った。よって、モダリティーに関する情報収集と意見交換に追われ、「モダリティーを活用したバーチャル患者のシナリオ作成・入力・検証」には至らなかった。令和4年度は、前年度の基礎的研究成果を活かしてポケットエコーを活用したバーチャル患者のシナリオ作成を行い、携帯型心電図計などの新たなモダリティー活用の模索も行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度以降の研究実施計画としては携帯型心電図計などの新たなモダリティー活用の模索を行いながら、①モダリティーを活用したバーチャル患者のシナリオ作成・入力・検証、②必要なモダリティー画像の提供・検証、③副作用発現・症状変化をパソコンまたは携帯型端末でVR・AR技術も利用して再現可能なシステム構成の確立、④専用ホームページまたはアプリケーションによる入力・体験・学習システムの構築、④ホームページまたはアプリの改善・バージョンアップ、などを順次行う予定である。 よって薬学領域にとどまらず医学領域、医療教育にも精通しなければならない。そのためにも現場の医療施設で働く薬剤師をはじめ、医師、看護師などとの多職種との協力が不可欠である。また、薬学領域に限定することなく医学領域、医療教育に関する学会などにも参加し、常に最新の情報も得ていく予定である。 本成果物は無償にて薬剤師・薬学生を始めとする医療従事者を対象に専用ホームページまたはアプリケーション内のバーチャル患者をとおして、患者情報、フィジカルアセスメントやモダリティーから得られた数値や画像を確認しながら、薬の効果判定や副作用の推測を可能とする予定である。また、これらに対して正解や解説の閲覧が可能な症例体験システムを構築する計画である。さらに、症例は時間とともに容態が変化する数ステップから構成され、処方提案や減ずることが可能かもしれない薬剤等の提案にも対応させる予定である。
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Causes of Carryover |
直接経費(旅費)として予算を組んでいた「情報収集(交通費・宿泊費・日当込)」と「研究成果発表(交通費・宿泊費・日当込)」が、コロナ禍における各学会のオンライン形式への変更により計画通りに使用出来なかった。また、直接経費(消耗品)として予算を組んでいた「ポータブル心電図計一式」が購入には至らなかった。さらに、直接経費(その他)として予算を組んでいた「システム改善費用」と「アプリケーション制作・年間更新費」が、進捗状況の遅れにより使用出来なかった。そのために次年度使用額が大幅に生じてしまった。 次年度は研究計画の遅れを取り戻し、①モダリティーを活用したバーチャル患者のシナリオ作成・入力・検証、②必要なモダリティー画像の提供・検証、③副作用発現・症状変化をパソコンまたは携帯型端末でVR・AR技術も利用して再現可能なシステム構成の確立、④専用ホームページまたはアプリケーションによる入力・体験・学習システムの構築、④ホームページまたはアプリの改善・バージョンアップ、などを順次行う予定である。
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Research Products
(2 results)