2021 Fiscal Year Research-status Report
L-アスパラギナーゼ投与に伴う抗体価評価の有用性と抗体産生に関する個体要因の検討
Project/Area Number |
21K06726
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
田中 庸一 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 主任研究官 (40525341)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | L-アスパラギナーゼ / 抗体 / 過敏症 / 白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児急性リンパ性白血病の多剤併用療法において、L-asparaginase(L-asp)は主要な治療薬の1つである。L-aspはタンパク製剤である事から、投与された患者の生体内で抗L-asp抗体が生成されることによって、過敏症の発現や治療効果の減弱が生じる事があるため、治療を行う上で検討が必要となることがある。本研究では、L-asp投与に伴い、患者の生体内に産生された抗L-asp抗体の抗体価を測定し、抗体の細胞応答性を評価する事によって、L-aspによる過敏症の発現や治療効果の減弱について関連性を検討し、定量的な指標とする事ができるかについて明らかにする。抗L-asp抗体としては、IgE及びIgG抗体を高感度に定量するために、ELISA法等によって測定系を構築している。また、抗L-asp抗体の細胞応答性については、ヒトFcγ受容体(FcγRIIa, RIIIa)やFcε受容体(FcεRI)を発現させた細胞内シグナル伝達を評価できるレポーター細胞を利用した方法の構築を開始している。 実際にL-aspによって治療を行った患者より採取した試料を用いて抗L-asp抗体の評価を行うために、日本小児がん研究グループ(JCCG)との共同研究を計画し、研究内容及び実施方法について審査を受けている。JCCGのプロトコルで治療した小児急性リンパ性白血病患者を対象に、L-aspを投与を受けた際に過敏症を発現した患者及び発現しなかった患者より試料を得て実施する事を計画している。研究実施が承認され次第、患者試料を用いた抗L-asp抗体の評価を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
L-aspで治療を行った患者より試料を得るため、共同研究先である日本小児がん研究グループで研究内容の審査を受けており、時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
L-aspで治療を行った患者より試料を得て、抗L-asp抗体の抗体価及び細胞応答性の評価を行う。評価結果について臨床症状との関連性を検討する事を計画している。
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Causes of Carryover |
本年度は共同研究先における研究審査に時間を要し、患者エントリーが開始できていないため、測定を実施するための試薬や器具等を購入できていない。次年度に患者エントリーが開始され次第、繰り越しした助成金を合わせた必要物品の購入に充てる。
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