2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular mechanism that endocrine secretory granule biogenesis
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21K06742
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
石井 順 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80749599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢澤 華子 (佐藤華子) 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60438132)
柏木 維人 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50722451)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 内分泌顆粒 / INSM1 / H1299細胞 / カルシトニン / 抗利尿ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
内分泌顆粒形成におけるマスター遺伝子を明らかにする目的で、前年度に構築したマスター遺伝子候補(INSM1およびMYT1L)の発現ベクターを非神経内分泌系である肺大細胞癌株H1299に導入し、導入の是非をウエスタンブロット法により確認した。導入株においてINSM1の恒常的な発現が確認された一方、MYT1Lの発現は確認されなかった。この現象はH1299以外の細胞株においても同様に認められた。MYT1L発現ベクターは、培養細胞株に一過性に導入した際には機能したことから、MYT1Lの恒常的な発現が細胞株の生存等にとって好ましくない影響をもたらす可能性が考えられた。そこでまずは、INSM1を導入したH1299(H1299-INSM1)を用いて解析を進めた。H1299-INSM1における内分泌顆粒関連遺伝子の発現をqRT-PCR法により解析した結果、内分泌顆粒関連遺伝子はINSM1によっては直接的に誘導されなかった。INSM1は神経内分泌特異的な分化誘導因子である一方、内分泌顆粒の形成には深く関与しない可能性が示された点は有意義である。 上記の実験に並行して、顆粒内容物の融通性についての解析を進めた。前年度に作製したカルシトニン(CALCAv1遺伝子)発現ベクターに加えて、抗利尿ホルモン(AVP遺伝子)発現ベクターを構築し、H1299細胞に導入した。それら導入株について超微形態学的解析を行ったところ、REST抑制に加えてPROX1を導入し、さらにCALCAv1ないしはAVP遺伝子を導入したH1299において、内分泌顆粒と考えられる構造物が確認された。現在この結果を裏付けるデータを収集中であるが、この結果は、培養細胞株に人為的に内分泌顆粒を形成する過程において、内分泌顆粒に含有されるタンパクとしては、そのホルモンの種類は問わない可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の検討から、内分泌顆粒形成におけるマスター遺伝子の候補として考えていたINSM1が、その可能性は低いことが明らかとなった。また、これまでは非内分泌系細胞H1299に内分泌顆粒の形成を誘導する際に、顆粒内容物としてACTH(POMC遺伝子)を用いていたが、カルシトニンや抗利尿ホルモンといったその他のペプチドタンパク質によっても内分泌顆粒の形成が誘導されることが明らかとなった。研究は計画書に沿って進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 内分泌顆粒形成におけるマスター遺伝子の候補として考えているMYT1L遺伝子について、非神経内分泌細胞株への安定的な導入方法を検討する。またそれが達せられた場合、MYT1Lが内分泌顆粒形成に与える影響を明らかにする。 2. 内分泌顆粒の内容物質として、POMC遺伝子産物以外の分子によっても内分泌顆粒が形成される可能性が示されたため、追試を含めた確認実験を行う。また、形成された内分泌顆粒にカルシトニンや抗利尿ホルモンが共局在しているか確認する。 3. これまでは、PROX1遺伝子とは別に内分泌顆粒形成を誘導する遺伝子(いわゆるマスター遺伝子)が存在すると考えていたが、現在までの解析結果から考えると、PROX1が最も重要度の高い内分泌顆粒の誘導因子である可能性も考えられるようになってきた。その場合、PROX1が内分泌顆粒形成に重要である理由は何か、検討する。
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Causes of Carryover |
本年度はメーカーのキャンペーンや研究者の実験操作の最適化により消耗品にかかる費用が抑えられたため、当該助成金が生じた。次年度は本年度と同様に、主に分子生物学的実験手法を用いて研究を推進する。培養細胞から種々のサンプル (RNAやタンパク質, 電子顕微鏡用試料など) を調整し、Real time PCR解析やウエスタンブロット解析、免疫組織化学、超微形態学的解析などを行うため、それぞれに関する消耗品および試薬が必要となる。具体的には以下の目的で使用する。 1. 細胞培養用培地・血清・消耗器具の購入, 2. 培養細胞からのサンプル調整に必要な消耗品の購入 (RNA抽出用試薬、タンパク濃度測定試薬など), 3. cDNA合成、遺伝子発現解析用試薬等の購入 (逆転写酵素、Real time PCR用試薬など), 4. 蛍光免疫組織化学および超微形態学的解析に用いる消耗品および抗体の購入, 5. 遠方での学会発表における交通費
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