2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the molecular mechanism for myoblast fusion using fluorescence polarization imaging
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21K06750
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 啓介 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60644044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 純雄 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00262022)
川岸 将彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60323606)
齊藤 健太 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (60374659)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アクチン / 蛍光偏光 / 筋芽細胞 / 細胞融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究により、細胞融合をリアルタイム蛍光観察するにあたり、①C2C12細胞の融合頻度を上げるための工夫、②融合間近な細胞を判別する方法の検討、③細胞密度が高いことに起因する顕微鏡観察の困難の解決、が必要なことが明らかになった。本年度はこれらの課題に取り組んだ。 ①について、膜脂質に作用して分化状態を保持したまま可逆的に融合を阻害することが報告されている薬剤をまず検討した。融合を阻害する薬剤の作用は確認できたが、薬剤をwashoutする際の培地交換で、密になった細胞がシート状に剥離する現象が起き、顕微鏡観察に持ち込むことができなかった。この薬剤を使用するためには、細胞密度が高くなりすぎない状態(具体的には、コンフルエントにならない状態)で細胞融合させる必要があると考えられた。②について、小胞体やミトコンドリアといった、細胞内小器官の形態マーカーの導入を試みたが、親株と同様の融合能を保持したセルラインを得るのが困難であり、いったん中断した。③について、蛍光偏光プローブを発現するC2C12細胞を、ごく少数、プローブを発現しないC2C12細胞の集団に混ぜることにより、細胞が高密度であっても高精細な顕微鏡観察が可能になるか検討した。比率を検討した結果、顕微鏡観察自体は可能になったが、融合の頻度の低さが原因となり、融合の現場を撮影することは困難であった。 上記検討の結果から、細胞融合を蛍光偏光イメージングで観察するためには、より効率良くC2C12細胞を分化・融合させる実験系が必要であると考えられた。そこで、培養・分化条件を根本的に見直した。その結果、細胞密度をコンフルエントにせずに、従来法より高効率でC2C12細胞を分化・融合させる条件を見出した。さらに、この分化誘導法を、上述の細胞融合を可逆的に阻害する薬剤の使用と組み合わせることで、細胞融合の頻度を上昇させることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞融合をリアルタイムで高精細に蛍光顕微鏡観察するために、培養・分化条件の根本的な見直しが必要であったため、その検討に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
顕微鏡観察に適した培養・分化方法を確立することができたので、来年度は細胞融合の蛍光偏光イメージングを重点的に行う。2つの異なる蛍光色のアクチン蛍光偏光プローブで観察することにより、細胞融合過程を詳細に観察できるようにする。蛍光偏光プローブを発現する細胞を準備する方法として、トランスポゾンを用いた安定発現C2C12細胞株樹立法を確立したが、かなりの割合で融合能が低下した細胞が出現する問題が生じている。そこで、①ゲノム編集によるセーフハーバーへの発現カセットの導入、②ウイルスベクターを用いた遺伝子導入、を試す。蛍光偏向イメージングは、spinning disc confocalをベースにした蛍光偏光顕微鏡を用いて解析を行う予定である。 また、確立した培養・分化方法を用いて、プロテオミクスの手法を用いて細胞融合に関与する遺伝子の探索を行う。具体的には、①細胞膜画分を単離精製し分化前後でタンパク質組成を比較、②myomakerと結合するタンパク質の同定、を行う。
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Causes of Carryover |
本年度はほぼ予定に近い金額を使用したが、前年度の未使用分があったため。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Development of POLArIS, a versatile probe for multi-color/multi-target orientation imaging in living cells2022
Author(s)
Keisuke Sato, Nori Nakai-Kadowaki, Ayana Sugizaki, Kazuyoshi Chiba, Kenta Saito, Masahiko Kawagishi, Yuri Tomabechi, Shalin B. Mehta, Hirokazu Ishii, Naoki Sakai, Hiromasa Ka, Mikako Shirouzu, Tomomi Tani, Sumio Terada
Organizer
Cell Bio 2022