2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K06759
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
松崎 伸介 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 教授 (60403193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田熊 一敞 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (90289025)
高村 明孝 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (80514398) [Withdrawn]
雑賀 史浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10644099)
長井 克仁 大阪大谷大学, 薬学部, 准教授 (00351271)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | SUMO1 / SUMO2 / Tau / 小胞体ストレス / 認知症 / SUMO化修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近年多数報告されるようになってきた糖尿病(以下、DM)の病態とアルツハイマー病(以下、AD)の病態の相補的促進作用について明らかにする目的で、申請者が小胞体ストレス(以下、ERストレス)やSmall Ubiquitin-like Modifier(以下、SUMO)修飾の関与についての研究成果に基づき研究を実施することを予定している。すなわち、DM発症における膵臓β細胞の変性をERストレス、SUMO化の観点からアプローチすることで、AD病態との類似性・新たなDM発症メカニズムの解明を目指すものである。 令和4年度前半は、令和3年度同様研究体制に制限が入っていたが、研究代表者である松﨑と研究分担者である田熊(大阪大学)に加えて、新たに加わった研究分担者長井(大阪大谷大学)の研究体制へと変更し、徐々に研究が再開している。 必要となる研究ツールとしてのモデル動物を用いての検討が必要となる。そのため、必要となるSUMO化高発現マウスを用いた糖尿病マウスの作成が必要となる。SUMO化研究の共同研究先であるトロント大学との調整により、トロント大学所有マウスを用いた糖尿病モデルマウスの作成を進めることとなった。現在、モデルマウス作成に向けた調整を終了し、申請者が渡加可能なタイミングでのサンプル回収に向け詣でる構築を進めている。次年度は、膵臓の病理像への各因子の影響を検討すべく、マウスに対する解析の準備を行っている。 また、本研究の重要なポイントは、神経変性疾患(認知症)と糖尿病の関係を見極めることであり、その手掛かりとしてTau蛋白質のSUMO化修飾を上げており、Tau蛋白質のSUMO化がおよぼす認知症への影響についての報告を国際誌に行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度および2022年目の前半はCovid-19の影響が予想以上に大きく、研究分担者を含め研究実施体制も制限されていた。また、主たる研究者である松﨑は2021年3月時点で異動となったこともあり制限下での実施体制の整備を進めた。同様に分担者である田熊(大阪大学)も制限下であったこと、大学の大規模修繕による研究施設の利用制限のため2年目の前半まで研究環境が整っていなかった。さらに、分担者である高村の異動にともなう離脱があったため研究分担者として長井(大阪大谷大学)に参画いただくなど体制を整えた。 2022年度においても医師としての立場上、大学所属職員・学生、近隣企業への職域接種の当番が7月頃まで続いたこともあり研究に従事できる時間の制限があり、研究実施に割り当てることができる時間が物理的に少なくなっていた。 並行して実施している国際交流研究(科研費:Covid-19の影響で2年間渡航しての活動は中断していた)実施のため、夏季は約6週間トロント大学での研究実施を行ったこともあり、2022年度の後半に入り研究再開の目途が立った。また、トロント滞在時に本計画についての打ち合わせを行い、2023年度にはトロント大学所有のSUMO高発現マウスを用いた糖尿病モデルを作成できる状態となった。現在マウスの作成を進めている。 上記のことから研究計画は大幅に遅れている状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に作成を開始しているマウスを用いた解析を実施することで、tauタンパク質のSUMO化が生体に及ぼす影響をin vivoで検証する。延長期間に入る2024年度はこれらのデータを加えて論文化する予定である。
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Causes of Carryover |
研究進捗の遅延状況にも記載した通り、Covid-19の影響等もあり全体に研究が遅延している。無駄な研究費使用を避けるため、必要に応じての研究支出を行っているため、研究体制が整い始めた研究計画2年目(2022年度)後半からの支出が多くなっている。研究実施の停滞期間の支出が少なかったことが、次年度使用額が生じた大きな原因となっている。また、トロント大学との共同研究により、SUMO化マウスを用いた糖尿病モデル動物の作成が可能となったことから、当該モデルマウスを作成し解析するため、期間延長による研究実施が必要となった。
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