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2022 Fiscal Year Research-status Report

Analysis of the network of NPFF receptor-expressing neurons mediating the interaction between neuroendocrine functions.

Research Project

Project/Area Number 21K06775
Research InstitutionNippon Medical School

Principal Investigator

肥後 心平  日本医科大学, 医学部, 准教授 (50623922)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords神経内分泌 / neuropeptide ff
Outline of Annual Research Achievements

生殖・摂食などの機能は, 複数のホルモンを介して神経内分泌系によって調節されている. 低栄養状態では生殖能力が低下するなど, 神経内分泌の機能は互いに影響を与えている. この相互調節の一部は, 複数の神経内分泌ペプチドを受容するNPFF受容体(NPFFR)を介して各神経内分泌神経が相互に情報伝達していることによることが申請者の研究からわかってきた. しかしNPFF受容体発現神経が, 脳のどのような場所からどのような情報を受け取っているかは不明な点が多い. そのため, 本研究は, NPFF受容体がどの脳部位から情報を受取り, どのような作用が生じるのかを解明することを目的としている.
今年度の研究では, 免疫染色法によりNPFFRのリガンドであるNPFF, PrRP, Kisspepitn, RFRP1/3, 26RFa を含む神経線維投射を解析し, どのペプチドがどのNPFFR発現神経に投射しているかの全脳マップが作成されつつある. NPFFRの主要発現神経である視床下部室傍核のCRF神経の例では, PrRP, 26RFaの線維投射が見られたが生殖に関与するKisspeptinの投射は少なかった.
また, 視床下部室傍核に対する投射元解析で逆行性トレーシングをおこなうため, アデノ随伴ウイルス (AAV)の構築を行って条件検討をおこなっており, 一般逆行性トレーサーでの条件検討とあわせてより詳細な投射解析ができる環境を整えた.
各リガンドの機能解析では, NPFFR発現神経近傍への注入後に神経活性をc-fos mRNA発現をin situ hybridizationにより解析するが, その条件を決定して, 論文発表をおこなった(Kamei et al, Acta Histochem Cytochem, 2022).

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究実績の概要に記した通り, 現在のところ, 免疫組織染色法によるリガンド投射実験に関するマッピング研究と, 機能解析のためのc-fos mRNA発現検出系(論文発表)については一定の進捗が得られていると考えている. しかしながら, c-fosの検出系に関しては, c-fos単一の染色では良好であるが, ごく低発現であるNPFFRとの同時染色に関しては通常のin situ hybridizationでは染色が難しいことがかわり, 現在より高感度かつ多重染色が容易であると報告されているSABER-FISH法, HCR ISH法の2種類のin situ hybridizationを導入して条件検討をおこなっている(この新規手法に関しては検討の過程などを含めてレビューを執筆し4月出版予定).
当初の研究計画においては, 2021年度-2022年度前半にかけて逆行性トレーシング用AAVもしくは一般逆行性トレーシングの条件検討を行う予定であったが試薬入手性の問題等から2021年度からの遅れがあり, AAVの作成が2022年度後半となった. そのため逆行性トレーシングに関しては当初予定から後方にずれ込んでしまっている.

Strategy for Future Research Activity

2023年度に関しては以下のことを中心に研究を遂行する.
1)NPFFR受容体リガンドの全脳マッピング. NPFFR発現神経細胞が存在する脳領域へのリガンド投射線維の解析はすでに進捗しているため, 雌雄の動物数を増やし定性的な記述を完成させることを行う.
2)新規in situ hybridization法の導入とNPFFR機能解析. NPFFRとc-Fosの2重検出を可能にするための手法を確立したのち, 申請者の既報論文(Higo et al, Histochem Cell Biol, 2021)で明らかとなったNPFFR発現領域に, 1)で調べたリガンドを注入し神経活性化解析を行う.
3)逆行性トレーシング. AAVもしくは一般逆行性トレーシングの条件を確定し, 最もNPFFR発現量が大きい視床下部室傍核CRFニューロンに対する投射解析を行う.
当初の計画では, 上記3点の解析結果を受けて, 哺乳動物において最も神経内分泌系が大きく変化する性成熟期前後(ヒトにおける思春期)での変化を解析する方向に発展させる予定であった. しかし遅れが生じているため, 重要度を鑑みて, 上記の3点を完成させることでNPFFR発現細胞による神経内分泌調節系の神経ネットワークを詳細に記述することを優先すべきと考えている. 年度後半にかけては, 性成熟期前後の解析を含めずに, 成熟個体で得られた結果のみで論文化を行う予定である.

Causes of Carryover

研究に用いる試薬類の金額が研究遂行の一部遅れなどにより当初予定していた算定額よりも減少したため. 2023年度では, 当初予定であった性成熟期前後の解析を除外するため, その解析に用いる動物数の減少で動物購入・解析にかかる試薬代などの消耗品費は減少を予想している. しかしながら、研究成果の概要で記述した通り, 現在機能解析のために新規のin situ hybridization法を導入して検討しているため, その消耗品予算が増加する予定である. そのため, 次年度使用額を含めた使用予定総額は変わらず, 2023年度に執行予定である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Identification of Brain Regions Activated by Sevoflurane and Propofol and Regional Changes in Gene Expression2022

    • Author(s)
      Kamei Nobutaka、Higo Shimpei、Mizuno Tomoki、Mori Keisuke、Sakamoto Atsuhiro、Ozawa Hitoshi
    • Journal Title

      ACTA HISTOCHEMICA ET CYTOCHEMICA

      Volume: 55 Pages: 37~46

    • DOI

      10.1267/ahc.21-00091

  • [Presentation] RNAscopeを用いた高感度 in situ hybridization2022

    • Author(s)
      肥後心平
    • Organizer
      第 63 回日本組織細胞化学会総会・学術集会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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