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2022 Fiscal Year Research-status Report

バソプレシンの分泌調節を担う浸透圧検知性イオンチャネルの同定と機能解析

Research Project

Project/Area Number 21K06778
Research InstitutionAkita University

Principal Investigator

沼田 かお理 (佐藤かお理)  秋田大学, 医学系研究科, 助教 (60614196)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsバソプレシンニューロン / 浸透圧 / イオンチャネル
Outline of Annual Research Achievements

下垂体性ADH分泌異常症に対する治療法は、現在、対症療法のみが行われているが、この治療法は、飲水量の制限など生活において通常のQOLが低下することがしばしばである。
患者のQOLを維持しながら治療を行うためには原因療法を開発することが必要である。原因療法を開発するにあたり、血漿浸透圧の増減によって起こる血中へのバソプレシン分泌調節メカニズムを明確にし、バソプレシン分泌調節メカニズムが働くためのスイッチとなり、治療薬のターゲットとなりうるイオンチャネルを同定する必要がある。本研究課題では、『バソプレシンニューロンの浸透圧検知性イオンチャネルの同定と機能解析』を目的として研究を進めている。
低浸透圧を検知するClチャネルVSORは、2014年にLRRC8AをコアとしたLRRC8ファミリーの組合せにより形成されることが報告された(Voss et al., 2014 Science; Qui et al., 2014 Cell)。しかし、その組み合わせについては、現在も不明なままである。本研究では、5種類あるLRRC8ファミリーの遺伝子をノックダウン、または過剰発現した細胞を用いて、VSORへの影響を検討した。その結果、LRRC8Aだけでなく、LRRC8Dにおいても、低浸透圧条件下における容積調節に重要な役割を担っていることを明らかにした。
細胞の容積が減少し、水が排出される際、水と同時に、細胞内に多く含まれているKClが同時に排出されることが知られている。現在服用されている漢方薬には、水分泌を促すという謳い文句で販売されているものが数多くあるが、その作用の詳細は不明である。本研究では、水分泌を促す防己黄耆湯を用いてその作用メカニズムを研究した。研究の結果、防己黄耆湯が、低浸透圧性細胞膨張後に容積回復のために活性化するClチャネルとKチャネルを活性化させることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までの進捗状況がおおむね順調に進展している理由は以下のようなものが考えられる。
1.研究を進めるにあたり、過去の研究データや文献等を事前に調べ、実験の手順を確立することが出来た。
2.研究に必要な実験手法を実験開始までに習得することが出来た。
3.研究に必要な機器や材料を整えることが出来た。

Strategy for Future Research Activity

本年度の研究は、以下の3つの内容について進めていきたい。

1. 前年度と同様に、低浸透圧を検知するClチャネルを同定すべく、詳細について検討する。
2. バソプレシンニューロンの浸透圧を検知するイオンチャネルについて、Clチャネル以外のイオンチャネルについて同定を進める。
3. 浸透圧の変化により、タウリンなど、様々な物質が脳内に分泌されていることが報告されている。これらの物質が、バソプレシンニューロン、そして、バソプレシンニューロンに発現する浸透検知性イオンチャネルに与える影響について検討する。

Causes of Carryover

物価高の影響により、実験器具等、ほぼ全て値上がりしてしまった。実験器具や試薬などは、私費で買うことが厳しいため、実験器具等に科研費を充てるために、本来科研費での購入を予定していた専門書や学会参加費等を可能な限り私費で賄った。業者が実験器具や試薬等の価格をディスカウントしてくれたり、キャンペーン情報を例年よりも頻繁に教えてくれたことで、それほど大幅に出費することなく研究を遂行することが出来たため、当初の想定以上に次年度使用額が生じた。
本年度も実験器具や試薬の値上がりが予想されるため、出来るだけ抑えて使用していく必要があるが、値上がり分の金額を、次年度使用額で補充することによって大切に使用していきたい。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022 Other

All Presentation (4 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Elucidation of the water secretion mechanism of Boui-ougi-to and its application to cancer therapeutic agents2023

    • Author(s)
      Taro Suzuki, Haruna Saito, Kaori Sato-Numata, Tomohiro Numata
    • Organizer
      日本生理学会 第100回記念大会
  • [Presentation] The role of LRRC8D in the regulatory volume decrease in human epithelial cells2023

    • Author(s)
      Kaori Sato-Numata, Taro Suzuki1, Ayako Sakai, Shuntaro Mori, Yasunobu Okada, Tomohiro Numata
    • Organizer
      日本生理学会 第100回記念大会
  • [Presentation] LRRC8Dチャネルの細胞容積調節能における役割の解明2022

    • Author(s)
      鈴木太郎、佐藤(沼田)かお理、酒井彩子、森俊太郎、沼田朋大
    • Organizer
      第54回東北生理談話会
  • [Presentation] 防已黄耆湯による水分分泌機構の解明2022

    • Author(s)
      齊藤 遥菜、佐藤(沼田)かお理、沼田朋大
    • Organizer
      第54回東北生理談話会
  • [Remarks] 秋田大学大学院医学系研究科 器官・統合生理学講座

    • URL

      https://www.med.akita-u.ac.jp/~seiri2/index.html

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Published: 2023-12-25  

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