2022 Fiscal Year Research-status Report
分子間協働から創出される細胞容積調節能を利用した虚血性壊死からの救済策の開発
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21K06792
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
沼田 朋大 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20455223)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞容積調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
TRPM7とLRRC8の相互関連性を示唆するための機能解析をパッチクランプ法を用いて行いました。この実験から、外向き整流性を持つ非選択的にカチオンの透過性を持つTRPM7活性を阻害すると外向き整流性を持つアニオン選択性を持つLRRC8活性も抑制されることが明らかになりました。これにより、TRPM7活性を制御することで、LRRC8の活性制御が可能であるという仮説が立てられました。つまり、カチオンチャネルとアニオンチャネルの機能的カップリングがあることが分かりました。 この仮説を確かめるために、DT40細胞株実験系を使用し、TRPM7の発現を一切なくすことができるTRPM7欠損細胞とTRPM7の欠損細胞に目的を持ったアミノ酸変異を施し、過剰発現をさせた細胞系を構築しました。アニオンとカチオンの2種類のイオンチャネル活性を、同時にリアルタイムで測ることができる実験系を構築し、TRPM7とLRRC8の関連性をより明確に実証しました。また、作成した細胞の低浸透圧刺激に応答する調節性容積減少能を測定することで、TRPM7が細胞容積減少のトリガーへの関与のみならず縮むフェィズにおいても間接的にかかわることを示しました。 さらに、TRPM7-LRRC8の物理的相互作用を免疫沈降法や共局在を免疫染色法にて評価しました。そして、TRPM7活性変化による長期的なLRRC8を含む転写因子等の関連分子の増減をマイクロアレイによって確認しました。 以上の実験により、TRPM7-LRRC8の機能連関が確認できた。
最後に、虚血誘発性細胞膨大した細胞にTRPM7活性誘発LRRC8活性化させることで、RVDを引き起こし、壊死から救済するための策については、検討中です。この結果は新たな治療法の開発につながるだろうと考えています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験がうまくいった理由は、複数の要因が絡み合っていることが考えられる。まず第一に、申請書作成の過程を経て十分な計画と準備が行われたことが成功の要因の一つです。実験を行う前に、十分な文献調査が行われ、適切な手順と装置が選択されたということが挙げられます。また、実験の目的や仮説を明確に定義し、それに基づいて実験の手順や条件を設計したことも成功につながった要因の一つです。さらに、実験を行う際には、適切な技術と知識を持った実験者が実験を行ったことが重要です。これまでの経験を活かし実験者が適切な技術を持っていることで、手順や装置の選択、データの取得方法などが適切に行われたことが挙げられます。また、実験者がイオンチャネルや細胞容積調節能について十分な知識を持っていることで、実験中に発生した問題に対して適切な対応ができ、実験の進行に支障が生じることを防ぐことができました。 さらに、実験が成功した理由には、適切な条件下で実験が行われたことが挙げられます。たとえば、実験に使用される試薬や装置が適切に選択し、使用できたこと、温度や湿度などの細かい条件が適切に制御されていたことが挙げられます。 最後に、実験に関わる環境を整え、努力を重ねたことも成功の要因の一つです。実験を行う際に共用の施設を他の研究者と適切に管理して利用したことで、実験が円滑に進行し、必要なデータや情報を取得することができました。 以上、実験がうまくいった理由として、計画と準備、技術と知識、条件の適切な制御、チームワークなど、複数の要因が絡み合っていることが考えられます。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 研究を推進するために、申請時の内容を勘案し、研究の目的を明確にする。次年度前にもう一度、解決するべき事項、明らかにする事項を明確にすることで、研究の方向性を定める。2. 研究の推進に有効な実験を新しい技術を調査するとともに新たに選定する。研究の目的を達成するために、効率的なデータ収集方法やコスト、実験技術の結果の信頼性などを考慮する。3. 上記で得られたデータを解析するために優れたデータ解析技術を用いる。データ解析技術は、研究において得られたデータから有用な情報を引き出すために不可欠なものです。近年では、機械学習などの技術が発展しており、例えば、自動で細胞の容積や面積をトレースできる技術を駆使することで、より高度なデータ解析を可能にする。4. 次年度の研究を推進するために、研究会や学会で研究推進に関連する知識や技術を持つ外部の専門家の協力を得る。専門家からのアドバイスや助言を受けることで、研究の品質を向上させる。5. 研究をさらに推進するために、最終的な成果を発信する。成果を発信することで、研究の価値を広く知っていただく。また、他の研究者や専門家からの評価を受けることで、研究の信頼性について議論の機会を得ると考える。成果の発信には、学術論文の発表や学会発表、報告書の作成を行う。また、SNSなども活用した成果の発信も検討する。 6. 研究を推進するために、セミナーや身近な研究者とディスカッションの機会を設け、継続的な評価と改善を行う。研究の進捗状況や成果を定期的に評価し、問題点や改善点を洗い出すことで、研究の質を高める。 以上の方策を遵守し、研究を推進し、より質の高い研究成果を生み出す。
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Causes of Carryover |
購入する予定の試薬輸入において、予想以上に時間がかかる見込みだったために次年度で購入する予定となった。
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