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2021 Fiscal Year Research-status Report

Significance of ketone body metabolic shift in diabetes and long-term prognosis prediction

Research Project

Project/Area Number 21K06797
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

佐藤 洋美  千葉大学, 大学院薬学研究院, 講師 (30506887)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 樋坂 章博  千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (80420206)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
KeywordsSGLT2阻害薬 / 脂肪細胞 / 心血管イベントリスク / 糖尿病 / メタボローム / 炎症
Outline of Annual Research Achievements

本研究では3つのステップで糖尿病の心血管イベントリスク(CVR)の長期予後予測を目指している。①基本となる疾患時間推定を行う数理モデルの構築、②代謝調節能が期待されるSGLT2阻害薬において、ケトン体もしくはその他の代謝物のCVR予測マーカーとしての可能性の探索、③CVR予測曲線の作成である。今年度は①,②の検討を進めた。
まず①に活用する臨床試験情報として米国BioLINCCデータベースで公開されている糖尿病患者の強化療法がCVRに与える影響が検討されたACCORD試験の申請を進め、試験情報と検体試料の提供が間もなく予定されている。
また、②ではSGLT2阻害薬の薬効に代謝調節能が関わることを仮定し、特に糖尿病の進行に寄与する脂肪組織炎症と脂肪細胞のメタボロームにSGLT2阻害薬が与える影響について検討した。脂肪細胞に炎症を惹起し、メタボライト抽出後に網羅的なメタボローム解析を行った。変化量の多い代謝物濃度情報よりパスウェイ解析を行い、グルタミン酸(Glu)関連代謝、アルギニン(Arg)関連代謝の経路変動が上位に観測された。Glu関連代謝物の中では、SGLT2阻害薬のdapagliflozin(Dapa)の添加によりγアミノ酪酸(GABA)の有意な増加を認め、一方、Argは減少傾向であった。個々の代謝物変化は、炎症惹起条件下では多くの代謝物産生が低下する中でGABAの他にメチオニン(Met)がDapaにより増加傾向を示した。さらにDapa, Met, GABAは脂肪細胞の炎症性サイトカインを抑制した。Argが産生に寄与する炎症誘導因子, iNOSはDapaで抑制傾向、MetおよびGABAの低濃度域の曝露でも減少傾向を認めた。これらの代謝物が脂肪細胞炎症機構にどのように関わるのか、SGLT2の治療標的あるいはバイオマーカーとなる可能性を次年度以降で追究する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究で用いる臨床試験情報は、所属機関の倫理審査を経てBioLINCCの申請を開始している。また、心血管イベント(CV)陽性患者・CV陰性患者の背景が紐づいた検体提供についても同機関への申請と事前調査を終えており、手続きが済み次第入手可能な状況にある。
今年度のもう一つの課題であった、CVRの予測へ寄与する因子の前向きな探索は、SGLT2阻害薬の近年の心保護作用の報告から期待される代謝調整作用と、この薬効群の抗炎症作用を脂肪細胞に対して確認し、作用の中心となる可能性のある代謝物や経路が抽出されてきている。
また、CVR予測のための疾患進行モデルの作成では、共同研究者の樋坂が開発したSReFTを活用するための手探りを開始している。また、臨床試験データを入手後のデータのクリーン・アップ作業のためにRやSASで解析を進める準備を整えた。
以上よりおおむね計画通りの順調な進行と考えられる。

Strategy for Future Research Activity

次年度はBioLINCCの提供データを用いた解析に着手する。提供予定であるACCORD試験は大規模・長期のフォローアップであったため、試験開始時点の基準を緩和して追跡された患者が含まれる。当初予定された基準を厳守した場合の患者群の絞り込み、その場合のCVRへの影響や共変量探索を踏まえて疾患時間推定の数理モデル構築を進める。
また、検体試料は、CVRに関わる主要なエンドポイントが発生したCVR陽性患者・CVR陰性患者から同数ずつ提供を受け、メタボロームやサイトカイン等の評価を進める。この検討により、CVRの予測に寄与する新規のバイオマーカーの探索を行う。一方、過年度までの培養脂肪細胞の検討ではSGLT2阻害薬で変動を認め、炎症にも一定の寄与を認めた代謝物の定量的な検証を進める。さらに、脂肪組織を構成する脂肪細胞以外の細胞種として炎症への関与の重要性からマクロファージに対するSGLT2阻害薬の効果や、脂肪細胞で認めた 代謝物の変動について確認する。SGLT2阻害薬にはDapa以外の薬物も追加して調査する。
次年度の解析は引き続き疾患数理モデルの構築と新規バイオマーカー探索のための検討は独立して進めて、3年目に統合することを目指す。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 2021

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 脂肪細胞におけるSGLT2阻害薬の代謝調節および抗炎症作用の連関2022

    • Author(s)
      小金 正空、豊島 拓斗、加藤 大皓、後藤 杏子、樋坂 章博、佐藤 洋美
    • Organizer
      第142回日本薬学会年会
  • [Presentation] SGLT2阻害薬Dapagliflozinが脂肪細胞のメタボロームに与える影響2021

    • Author(s)
      小金正空、豊島拓斗、後藤杏子、樋坂章博、佐藤洋美
    • Organizer
      第65回日本薬学会関東支部大会

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Published: 2022-12-28  

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