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2021 Fiscal Year Research-status Report

Analysis of the molecular basis of Gata2 gene activation in mast cells

Research Project

Project/Area Number 21K06816
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

大根田 絹子  東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (50323291)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大森 慎也  高崎健康福祉大学, 薬学部, 講師 (10509194)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsマスト細胞 / エンハンサー / 転写因子 / 遺伝子発現制御 / トランスクリプトーム
Outline of Annual Research Achievements

GATA2は、多くのマスト細胞特異的な遺伝子の発現を制御し、マスト細胞の分化形質維持に必須の転写因子である。ヒトとマウスにおいてGATA2遺伝子は高度に活性化しており、その標的遺伝子であるKit, Tpsb2, Cpa3などの発現量は高く、これらの遺伝子産物はマスト細胞の機能発現に重要である。このことから、Gata2遺伝子の高度活性化は、標的遺伝子の高い発現量を維持し、マスト細胞の機能発現に重要なのではないかと考えた。本研究は、GATA2遺伝子高度活性化の分子機序を明らかにすることを目的としている。
令和3年度は、マウスGata2遺伝子の転写開始点から+53-57kbpに広範囲にH3K27ac修飾がみられる領域(Gata2 downstream regulatory element:Gata2 DRE)に着目し、その機能を解析した。この領域はヒトK562細胞を用いたCRISPRiスクリーニング法で報告されたGATA2エンハンサー(Gasperini, 2019)と相同的な位置に存在するが、その機能は解析されていない。公開ChIP-SEQデータベースで、活性化クロマチン指標(H3K27ac, H3K4me1, ATACなど)を調べたところ、マスト細胞でGata2 DREが強く活性化されていることが確認された。MEDMC-BRC6マスト細胞株においても、Gata2 DREは既知のGata2+9.5kbpエンハンサーと同程度に強く活性化していることが確認された。また同領域にはGATA2とGATA1の結合ピークが認められた。つぎに、ゲノム編集法でGata2 DREを欠失する細胞を作製した。その結果、Gata2の発現量が約50%に低下した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和3年度は、マウスGata2遺伝子の転写開始点から+53-57kbpに広範囲にH3K27ac修飾がみられる領域(Gata2 downstream regulatory element:Gata2 DRE)に着目し、その機能を解析した。この領域はヒトK562細胞を用いたCRISPRiスクリーニング法で報告されたGATA2エンハンサー(Gasperini, 2019)と相同的な位置に存在するが、マウスとヒトで塩基配列の保存性は低かった。MEDMC-BRC6マスト細胞株において、Gata2 DREは既知のGata2+9.5kbpエンハンサーと同程度にアセチル化され、活性化エンハンサーの指標であるH3K4me1修飾が観察された。また、GATA2とGATA1の結合ピークが認められた。次に、ゲノム編集法でGata2 DREを欠失するマウスマスト細胞を作製した。用いたcrRNAの組み合わせから、GATA結合配列を含む周辺の領域が270bp欠失した細胞(ヘテロ欠失体11クローン、ホモ欠失体4クローン)と、390bp欠失した細胞(ヘテロ欠失体8クローン、ホモ欠失体8クローン)がそれぞれ得られた。Gata2の発現量は野生型、ヘテロ欠失体、ホモ欠失体の順に低下しており、ホモ欠失体は野生型の約50%であった。しかしながら、マスト細胞をLPSで刺激したときに一過性に観察される2倍程度のGATA2の発現増加については、Gata2 DRE欠失による影響はみられなかった。

Strategy for Future Research Activity

MEDMC-BRC6マスト細胞株において、Gata2 DREはエンハンサー活性を有し、定常状態のGATA2の発現に関わっていることが示唆された。しかしながら、Gata2 DREのみの欠失によるGATA2の発現低下は部分的であった。Gata2 DRE 欠失による影響が、細胞系列や発生段階によって異なる可能性が新たに生じたため、ゲノム編集法によりGata2 DRE 欠失マウスを作成し、GATA2の発現への影響を調べたい。また、Gata2遺伝子を挟んでGata2 DREの反対側に位置する-77kbpには、血球系でエンハンサー機能を有することが知られている領域(Gata2-77kb)が存在する。-77kb領域を欠失させたマウスは、造血機能不全のため胎生期に死亡することが知られている。マスト細胞において、Gata2 DREとGata2-77kbは協調して作用しGata2遺伝子のアクティブな高次構造を維持している可能性も考えられる。Gata2 DREだけでなく、Gata2-77kbについてもマスト細胞での欠失の影響を確認し併行して進めていきたい。

Causes of Carryover

ゲノム編集による目的領域を欠失する細胞の作成に数回かかると予想して試薬等の予算を見積っていたが、1回の細胞導入で目的としていた細胞が得られたことと、現地参加を予定していた学会(第94回日本生化学会)がハイブリッド開催となり、オンラインで参加したことによる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] マスト細胞におけるGATA2によるCebpa転写抑制機構の解析2021

    • Author(s)
      大森 慎也, 森 哲哉, 大根田 絹子
    • Organizer
      2021年度日本生化学会関東支部例会
  • [Presentation] マウスマスト細胞における新規Il6遺伝子制御領域 (Il6-DRE)の同定と解析2021

    • Author(s)
      大森 慎也, 森口 尚, 高井 淳, 森 哲哉, 大根田 絹子
    • Organizer
      第94回 日本生化学会
  • [Presentation] 炎症制御因子としてのGATA22021

    • Author(s)
      高井 淳, 大森 慎也, 大根田 絹子, 上村 聡志, 山本 雅之, 森口 尚
    • Organizer
      第94回 日本生化学会

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Published: 2022-12-28  

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