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2021 Fiscal Year Research-status Report

Cooperative function of alpha-synuclein and tau during brain development

Research Project

Project/Area Number 21K06821
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

金 明月  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (60740404)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords神経幹細胞の分裂 / 神経細胞の分化 / グリア細胞の発生 / αーシヌクレイン / Tau
Outline of Annual Research Achievements

アルファシヌクレイン(αSyn)とタウたんぱく(tau)は脳に高発現する微小管結合たんぱく質で、これらの遺伝子に変異が生じた場合にはパーキンソン病やアルツハイマー病を含む重い神経変性疾患を発症させる。しかし、これらのタンパク質の生理機能には不明な点が多く、脳に異常蓄積することによる神経細胞の変性・脱落の分子機構も十分解明されていない。その理由の一つが、αSynとtauの単独ノックアウトマウスがほとんど表現型を示さなかったことである。そこで、我々は微小管を場としたαSynとtauの機能的相互作用を解明するため、二つの遺伝子を同時に欠損させたダブルノックアウト(double knockout: DKO)マウスを作成した。DKOマウスの解析から我々は、αSynとtauの欠損が大脳皮質の形成に重要な役割を果たしていることを発見した。具体的には、αSynとtauの欠損により発生初期における神経幹細胞の分裂と神経細胞への分化が大きく促進された。その結果、野生型マウス、αSynノックアウトマウス、tauノックアウトマウスに比べてDKOマウスの胎児脳が大きく成長していた。大脳皮質の層特異的マーカーを用いた解析から、DKOの大脳皮質層II-VIが明らかに厚くなっていることを確認した。しかし、DKOマウスの胎生期半ばのE14ではTbr2+ intermediate progenitorsの減少していて、E15ではPax6+神経幹細胞が著しく減少していた。胎生期半ばの神経幹細胞の減少は、引き続き行われるグリア細胞(アストロサイトとオリゴデンドロサイト)の発生に影響を与える可能性が大きい。これらの結果をもとに、αSynとtauがアストロサイトとオリゴデンドロサイトの発生に与える影響を詳細に解析する。我々の研究により、αSynとtauが脳の発生における機能的なクロストークが解明されれば、神経変性疾患の発症機構の解明に新しい知見を提供することが期待できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

我々は、脳の発生期における野生型(WT)、α-synuclein-/-、tau-/-マウスと両方を同時にノックアウトさせたDKOマウスの解析を行い、α-synculeinとtauが脳の発生に重要な役割を果たすことを発見した。
(1)胎児E12とE14の解析から、α-synculeinとtauの欠損が神経幹細胞(Pax6+ cells)の分裂を促進させると同時に、神経幹細胞から神経細胞(Tbr1+ cells)への直接分化も促進させたが、intermediate progenitor (Tbr2+ cells)への分化は抑制させた。(2)神経細胞への分化が促進されたことを確認するため、E12の胎児脳の神経幹細胞にEGFPとH2Bを発現させ、E13とE14で脳組織のlive imagingを行った。その結果、α-synculeinとtauの欠損がG2フェーズ中の神経幹細胞の細胞核の移動を加速させたことを確認した。(3)WT、α-synuclein-/-、tau-/-に比べて、DKOマウスの胎児脳が著しく大きくなり、新皮質層特異的マーカーをもちいた解析からも、DKOマウスの新皮質の層II~VIがより厚くなっていることを確認した。(4)E14とE15胎児脳の解析から、DKOマウスのintermediate progenitor (Tbr2+ cells)と神経幹細胞(Pax6+ cells)の数が著しく減少していた。
以上の結果から、引き続き行うグリア細胞(アストロサイトとオリゴデンドロサイト)の発生に影響を与える可能性が示唆された。これらの結果をもとに、in uteroの解析とlive imagingなどの手法を用いてα-synculeinとtau が神経発生とグリア細胞の発生における生理的機能と機構を調べる。

Strategy for Future Research Activity

中枢神経系を構成する主要細胞である神経細胞、オリゴデンドロサイト、アストロサイトは、いずれも神経上皮細胞と呼ばれる未分化な細胞に由来する。E14とE15胎児脳における神経幹細胞の減少は、引き続き行うグリア細胞の発生に直接影響を与える可能性が示唆された。これからは、発生後期の神経幹細胞の減少がオリゴデンドロサイトとアストロサイトの発生、増幅と成熟に与えるα-synculeinとtauの機能と機構を解析する。

Causes of Carryover

コロナの影響で、実験出張の予定が遅れて、その実験予定を次年度に変更させた。そのため、実験に必要な予算も次年度に繰り越した。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Lis1 mutation prevents basal radial glia-like cell production in the mouse2021

    • Author(s)
      Penisson Maxime、Jin Mingyue、Wang Shengming、Hirotsune Shinji、Francis Fiona、Belvindrah Richard
    • Journal Title

      Human Molecular Genetics

      Volume: 31 Pages: 942~957

    • DOI

      10.1093/hmg/ddab295

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2022-12-28  

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