2022 Fiscal Year Research-status Report
血小板膜におけるスフィンゴミエリンを介したリン脂質露呈制御機構の解明
Project/Area Number |
21K06827
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
谷口 真 金沢医科大学, 総合医学研究所, 講師 (30529433)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スフィンゴミエリン合成酵素 / 血小板 / スフィンゴミエリン / 血小板減少症 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜構成脂質であるスフィンゴミエリン(SM)はリガンド-受容体応答の足場として、細胞増殖、遊走、炎症などのシグナル伝達を制御する。細胞膜SMの合成はSM合成酵素(SMS)が担っており、SMSにはゴルジ体に局在するSMS1とゴルジ体と形質膜の両方に局在するSMS2があるが、その機能の違いについては明らかとなっていない。前年度、研究代表者はSMS1遺伝子欠損により細胞膜SM量低下からスクランブラーゼTMEM16Fが細胞膜内高分子化することでカルシウム流入が増加し、ホスファチジルセリン(PS)の外膜への露呈が亢進することを見出した。SMS1欠損マウスでは、血小板において細胞膜SM減少からこのPS露呈亢進によって、血小板クリアランスが増加し、血小板減少症を呈することを明らかにした。 本年度は、SMS1欠損マウスで見られる血小板減少症をSM補充によってコントロールすることで改善できないかどうかを検討した。まずは野生型マウスにおいて、SMリポソームを腹腔内投与することで、血清中のSM量を増加できることを確認し、SMリポソーム投与がSMS1欠損マウスの血小板減少症の原因である、細胞膜SM減少を抑制できる可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、SMリポソームの投与により血中SM量を増加させることが可能であることを見出した。しかし、血小板減少症を呈するSMS1欠損マウスの出生率が低く、十分な匹数のマウスを確保することができなかったため、SMS1欠損マウスへのSMリポソーム投与ができなかった。今後、SMS1欠損マウスを十分確保した上でSMリポソームの効果を検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、SMリポソームの補充で血中SM量を増加させることが可能であることを見出したが、十分な匹数のSMS1欠損マウスを確保できず、血小板減少症への抑制効果はみることができなかった。SMS1欠損マウスは出生率も低く、また生まれてすぐに死んでしまう個体も多く数を確保するのが難しい。そこで、タモキシフェン誘導型のSMS1コンディショナルノックアウトマウスを既に有しているため、このマウスを用いて後天的にSMS1欠損マウスを作製し、血小板減少が確認されたらSMリポソーム補充を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は学会発表などに係る支出がなかったため次年度使用額が生じた。次年度の学会発表および論文添削・投稿、また物品等の購入費に充当する予定である。
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Research Products
(4 results)