2021 Fiscal Year Research-status Report
非翻訳RNAによる脳機能発達制御メカニズムの統合的理解
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21K06834
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
辻村 啓太 名古屋大学, 理学研究科, 特任講師 (60588474)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳機能 / 脳発達 / miRNA / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
非翻訳領域はゲノムDNAの大部分を占めることがわかっている。近年、ノンコーディングRNA(ncRNA)の機能的重要性が次々と明らかにされており注目されている。申請者はこれまでに重度の脳発達障害・レット症候群の原因遺伝子MeCP2が特定microRNA(miRNA)の生合成を促進することを独自に発見した(Tsujimura et al., Cell Rep 2015)。特に、miRNA欠損マウスがレット症候群モデル(MeCP2KO)マウスの多くの表現型を再現することを示し、特定miRNAが脳機能発達に極めて重要なことを明らかにしてきた。また、これ以降、脳機能発達・発達障害病態におけるmiRNAの役割を明らかにしてきた(Nakashima, Tsujimura#(#Corresponding author) et al., Cell Rep 等])。本研究では、miRNAの脳機能発達におけるさらなる役割を明らかにし、脳機能発達における非翻訳RNAの機能的重要性を提示することで未知の脳機能発達や脳発達障害のメカニズムの解明に資する研究を推進することを目的とした。初年度である本年度はmiRNAの遺伝子改変マウスの作製に注力した。miRNAの遺伝子改変マウスを作製しF0およびF1マウスのジェノタイピングを決定してきた。順調にmiRNA遺伝子改変マウスの作製が進行している。変異の機能解析を実施し、細胞レベルでの機能変容を見出した。これらの予備的知見や準備を基に引き続きmiRNAの脳機能発達におけるさらなる役割を明らかにし、脳機能発達における非翻訳RNAの機能的重要性を提示していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題の最重要項目であるmiRNAの遺伝子改変マウスの作製が順調に進んでいることや、変異の表現型解析が進行しているため本課題は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画の通り、引き続きmiRNAの遺伝子改変マウスの作製を進める。また、発現パターンの解析や変異の表現型解析を続ける。いまのところ研究計画の研究を遂行する上で課題は特にない。
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