2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of a novel cellular senescence mechanism modulated by branched-chain amino acid metabolism.
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21K06852
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小西 昭充 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50381877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大日方 英 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50332557)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞老化 / 分岐鎖アミノ酸 / テロメア / アミノ酸代謝 / エネルギー代謝 / 活性酸素 / DNA損傷応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞老化とは、テロメア短縮などの様々なストレスにより細胞の増殖が不可逆的に停止する現象である。老化細胞では細胞内代謝が大きく変化していることが知られているが、その生物学的意義の多くは不明である。これまでに我々は、ロイシン・イソロイシン・バリンの3種類の分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝変化が細胞老化の成立に大きく関与していることを見出している。本研究では、BCAA代謝による細胞老化メカニズムの解明に取り組むとともに、その知見を利用した細胞老化の制御技術確立に取り組んでいる。 これまでに我々は、テロメア短縮やDNA損傷などの細胞老化を誘導する刺激によりBCAA代謝に関わる酵素の発現量が低下し、それを起点としてBCAAの分解が抑制されること、細胞老化誘導時にBCAA代謝酵素の発現が抑制される分子機構、さらに、BCAA代謝の変調が細胞の抗酸化活性の低下を介して細胞老化を誘導していることなどを見出し、BCAA代謝の変調による細胞老化誘導の分子機構の全容が明らかになってきた。令和4年度は、このBCAA代謝酵素のノックアウトマウスの作成と解析に取り組んだ。Crispr/Cas9を利用したBCAA代謝酵素ノックアウトマウスの作成に成功し、現在、表現系の解析を進めている。この解析により、BCAA代謝酵素が生体内において細胞老化の抑制にどの程度寄与しているかが明らかとなることが期待される。 これらの研究成果について、国内学会5件、和文雑誌1件で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和4年度において、当初の研究計画にはなかったノックアウトマウスの作成に成功し、その解析からBCAA代謝が生体内においてどの程度、細胞老化への寄与しているかが明らかになりつつある。これらの研究は当初の研究計画以上の進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に作成したノックアウトマウスの解析に引き続きに取り組み、これまでに得た知見をもとに、BCAA代謝変調による細胞老化誘導の分子機構の全容を明らかにする計画である。研究成果は速やかに国際学術雑誌、学会等で発表するとともに、インターネット等を通じて社会に向けて広く発信していく。
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Causes of Carryover |
計画の進捗がスムーズであったため、培養細胞を用いた研究経費を削減できたことから次年度使用が生じたが、次年度使用分は当初計画になかったノックアウトマウスの解析に用いる計画である。
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Research Products
(8 results)