2023 Fiscal Year Annual Research Report
TNFシグナル関連分子群に着目したマクロファージの運命決定制御機構の解明
Project/Area Number |
21K06868
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山条 秀樹 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (50391967)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | TAK1欠損マウス / ザイモサン誘導性腹膜炎 / 新規マクロファージ前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度はザイモサン誘導性腹膜炎モデルを利用して、誘導される単球由来マクロファージの推移について対照及びマクロファージ特異的TAK1欠損マウスを用いて比較解析した。その結果、両マウス群の腹腔内において、接種後18から20時間後には炎症性単球の動員が、さらに接種後36から40時間後には炎症性単球由来マクロファージが同程度認められた。驚くべきことに、対照マウスでは接種後48時間後には分化成熟したマクロファージが認められたのに対し、マクロファージ特異的TAK1欠損マウスでは分化成熟したマクロファージはほぼ認められず、また炎症性単球由来マクロファージも激減していた。その一方で単球が蓄積しているのが判明した。この傾向はザイモサンを接種後少なくとも14日まで確認された。以上の結果は、1) 単球からマクロファージに分化成熟していく過程で、TAK1分子が重要な役割を果たすこと、2) マクロファージ前駆細胞と見られる未熟な細胞集団の存在、を示唆している。そこでこの新規マクロファージ前駆細胞集団に着目して、RNA-seq法による遺伝子発現解析や増殖や生存の観点から解析を進めている。 2021年度から2022年度にかけて行った細胞死誘導受容体として知られるFasのマクロファージにおける機能について研究を行なった。その結果、1) マウス骨髄由来マクロファージはFas刺激による細胞死誘導に耐性であること、2) この性質にTAK1分子が重要な役割を果たすことを発見した。さらにin vivoによる解析から、マクロファージ特異的TAK1欠損マウスは組織常在マクロファージの細胞死に端を発する自然発生的な組織炎症を呈することを発見し、マクロファージ内TAK1による細胞死抑制が組織炎症の抑制に繋がる新たな制御機構の存在を提唱した。上記の研究成果は、学術集会で発表しただけでなく、国際学術雑誌にも報告した。
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Research Products
(4 results)