2021 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化病変におけるカスパーゼ11依存的パイロトーシスの役割の解明
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21K06875
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
唐澤 直義 自治医科大学, 医学部, 講師 (60631893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 将文 自治医科大学, 医学部, 教授 (40296108)
相澤 恵美 自治医科大学, 医学部, 臨床助教 (80877621)
駒田 敬則 自治医科大学, 医学部, 講師 (90824730)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 炎症性カスパーゼ / 動脈硬化 / インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
カスパーゼ11はカスパーゼ1と類似した酵素活性を示す炎症性カスパーゼであるが,その役割は未解明であった.しかし近年,カスパーゼ11が細胞内でグラム陰性菌由来のリポ多糖(LPS)を直接認識することで活性化し,炎症性細胞死であるパイロトーシスとNLRP3インフラマソームの活性化を誘導する非標準インフラマソームの存在が明らかになった.さらに,カスパーゼ11の内因性のリガンドが酸化リン脂質であることが報告され,感染を伴わない炎症においても非標準インフラマソームが関与することが示唆された.本研究課題は動脈硬化の進展におけるカスパーゼ11を介した非標準インフラマソームの役割を明らかにするとともに,カスパーゼ11が誘導する細胞死であるパイロトーシスが動脈硬化病変の性状に及ぼす影響の解明を目指す.本年度の研究においては、すでに作成していたApoe/カスパーゼ11二重欠損マウスを用いて,動脈硬化形成における非古典的インフラマソーム経路の役割を明らかにしようと試みた。大動脈病変のOil-Red O染色の結果、カスパーゼ11の欠損は動脈硬化病変における脂質の蓄積には影響しないことが明らかになった。その一方、カスパーゼ11の欠損では壊死性コアの形成が抑制されることが明らかになった。カスパーゼ11の活性化が引き起こす下流の応答についての細胞レベルでの検討のため、カスパーゼ11のヒトオーソログであるカスパーゼ4の活性化誘導細胞(DmrB-CASP4-THP-1)を作成した。今後、これを用いてカスパーゼ4/11の活性化により引き起こされる細胞応答について評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動脈硬化モデルマウスは無事に繁殖が進み、予定通りの進捗にて解析が実施できた。今後の検討に使用予定の細胞モデルも問題なく構築済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究結果から、カスパーゼ11の欠損は動脈硬化病変における脂質の沈着には影響しないが、壊死性コアの形成に寄与していたことから、進展した動脈硬化病変の形成に寄与していることが示唆される。今後、病変のステージ毎のカスパーゼ11の発現の変化や、安定プラーク、不安定プラークでのカスパーゼ11の発現変化について、解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の流行に伴う研究活動の制限及び物流の遅延により,当初本年度に行う予定であった研究活動の一部を次年度に実施することとしたため。
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Research Products
(2 results)