2021 Fiscal Year Research-status Report
Histopathologic Features Associated with Molecular Subtypes of Extranodal NK/T Cell Lymphoma
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21K06883
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大石 直輝 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (90623661)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NK/T細胞リンパ腫 / STAT3 / MYC |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型(ENKTL)はEpstein-Barrウイルス陽性の高度侵襲性リンパ腫である.ENKTLの細胞由来,臨床経過,化学療法への反応性,予後は様々であり,病理学的な予後指標は確立されていない.【方法】本研究ではまず71例のENKTL症例を収集し,MYC,リン酸化STAT3,CD30の発現を免疫組織化学で解析した.免疫組織化学については腫瘍細胞の陽性率を10%単位で半定量し,MYCは陽性率40%以上,リン酸化STAT3とCD30は陽性率30%以上の場合に高発現と定義した.また,ENKTL67例についてはターゲットシークエンスをおこない遺伝子変異を解析した.【結果】ENKTLにおける遺伝子異常として,STAT3 (27%), JAK3 (4%), KMT2D (19%), TP53 (13%), BCOR (10%), DDX3X (7%)の変異頻度が高かった.STAT3変異はSH2ドメインに集中し,確認されたすべてが機能獲得変異として報告されているものであった.また,STAT3変異は免疫組織化学によるリン酸化STAT3,CD30の高発現と関連していた.BCOR変異はほとんどが機能喪失変異で,遺伝子全体にひろく分布していた.単変量解析では,臨床病期,TP53変異,BCOR変異,MYC高発現が全生存期間の短縮と関連していた.さらに多変量解析の結果,MYC高発現は独立した予後不良因子であった.【結論】ENKTLにおいてCD30はJAK/STAT経路の活性化に依存している可能性がある.免疫組織化学によるMYC高発現の検出は,ENKTLの予後不良因子と考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子異常,免疫組織化学による解析の結果は,国際学術誌に投稿し受理された.
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Strategy for Future Research Activity |
DNAとともに抽出したRNAを利用して,遺伝子発現解析につなげたい.また,エピゲノム解析も準備を進めている.
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Causes of Carryover |
想定よりも安価にシークエンス解析ができたため.次年度におけるRNAシークエンスに充てる計画である.
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