2021 Fiscal Year Research-status Report
イメージサイトメトリーによるインターフェロンγの抗腫瘍効果の解析
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21K06886
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
近藤 智子 (古屋智子) 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30379979)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インターフェロンγ / イメージサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はインターフェロンγ(IFNγ)が腫瘍細胞に対して細胞増殖抑制効果を示すことを明らかにしてきたが、そのメカニズムの解明には至っていない。腫瘍細胞の種類によってIFNγに感受性を示すもの(細胞増殖が抑制されるもの)と示さないものがあることもわかってきたが、両者の差が何に起因するのか、そして両者を区別するマーカーについても不明のままである。本研究は、この疑問を解明するために複数のIFNγ感受性細胞、非感受性細胞を対象としてIFNγ刺激による遺伝子発現の量的変化や局在変化をイメージサイトメーターで解析するものである。 2021年度は解析対象とすべき細胞内物質(シグナル伝達関連物質や細胞周期関連分子)を絞り込むとともに、実験系の確立(培養条件の決定、イメージサイトメトリー用の標本作成法、解析方法の確立)を目指した。 解析対象物質については先行研究で得られたデータの見直しと解析および他の研究者の報告も参考にし、先行研究から引き続いて検討している細胞増殖や細胞死に関連する分子に加えて、JAK/STAT経路に関与する分子も対象することとした(具体的な対象物質については割愛)。実験系の確立について、培養条件に関しては(IFNγ濃度や培養期間)ほぼ確定できたが、使用するイメージサイトメーターごとに適した検体処理法(固定条件など)や蛍光免疫染色法の確立、イメージサイトメーターでの測定項目の決定については確定に至っておらず、来年度も継続して検討することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験系の確立が予定よりやや遅れている。これは細胞培養関連機器の更新時期が遅れ、実験が行えない時期があったこと、研究外の業務量が予定より増えたことにより研究時間が少なくなってしまったことが主な原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは実験系の確立を早急に行う。 インターフェロンγ(IFNγ)により活性化されるシグナル伝達系(JAK/STAT経路)については、その活性化が癌細胞の増殖や細胞生存に関与するとの報告があるが、我々の先行研究ではIFNγによって細胞増殖に変化しない、あるいは逆に抑制されるという結果になっている。この違いを解明するために、まずは複数のIFNγ感受性またはIFNγ非感受性細胞に対するIFNγによるJAK/STAT経路関連分子の発現レベルを解析し、IFNγによる細胞増殖抑制効果がJAK/STAT経路と関連があるかどうかの確認を行いたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じたのは研究以外の業務量が予定より多くなり、実験に充てられる時間が少なくなり消耗品購入がが少なくなっため、および学会がオンラインとなり旅費を請求しなかったためである。 使用計画については実験の進み具合に合わせて適時購入していく予定である(消耗品の中には長期保存が向かないものもあるので)。
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