2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K06903
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 聡 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40528791)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 3次元イメージング / 組織透明化 / 新規診断技術 / 人工知能 / 機械学習 / 炎症性腸疾患 / 甲状腺腫瘍 / 尿路系腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度において、3次元イメージング技術を機械学習に応用する予備段階として、甲状腺腫瘍のHE染色組織像(2次元画像)をデータとして、機械学習系による新規診断系の開発を行った。この研究において、HE染色を用いて作製した甲状腺濾胞癌、甲状腺濾胞腺腫標本からバーチャルスライドガラスデータを取り込み、これらよりランダムに組織診画像を出力、この画像データを用いて2疾患を鑑別する深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network: DNN)を使用した分類モデルの開発を試みた。その結果、ROC曲線における AUC = 0.91と高性能な診断モデルを開発することができた。さらに、診断において重要だと判断された領域を可視化する手法 GradCAM を用いて解析した結果、甲状腺濾胞癌と甲状腺濾胞腺腫の鑑別は主に核の所見に大きく依存していることが示唆された。加えて、甲状腺濾胞癌症例における再発リスク、広範な被膜浸潤、血管浸潤の予測を行うモデルの開発を試みたところ、改良の余地のある成績ではあったが、一定のレベルでの予測を行うことが可能であった。 研究期間全体を通じては、大腸粘膜組織の陰窩構造といった組織学的構築や潰瘍性大腸炎をはじめとする炎症性腸疾患におけるこれらの構築の病的変化を詳細に評価できる蛍光染色法 PAFhy染色およびこれを応用した3次元的イメージング手法 PAFhy-3D を新規に開発することができた。また、機械学習系を尿細胞診や甲状腺腫瘍の組織診断に応用し、新しい診断モデルを開発することができた。
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