2021 Fiscal Year Research-status Report
腺窩上皮型胃癌における臨床病理学的および網羅的分子解析
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21K06908
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
上杉 憲幸 岩手医科大学, 医学部, 特任准教授 (10291618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅井 有 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20187628)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 胃癌 / 腺窩上皮型 / 分子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は内視鏡的に切除された腺窩上皮型胃癌について解析を行い、胃通常型腺癌と比較することで臨床病理学的および分子病理学的特徴について報告を行なっている。現在までの解析で、胃腺窩上皮癌は低異型度の腫瘍の頻度が高いにも関わらず、高い細胞増殖能を示す腫瘍が多くみられ、細胞増殖能を反映するKi-67陽性細胞率は通常型胃癌と同程度であることが明らかとなっている。エピゲノムな異常では、2パネル法を用いたDNAメチル化解析で、通常型胃癌と比較して低メチル化状態を示す腫瘍の頻度が高く、高メチル化状態を示す腫瘍の頻度が低いことが明らかとなった。ゲノムの異常としては、allelic imbalance (AI) 解析において、染色体1p, 5q, 18q, 22qにおけるAIの頻度が通常型胃癌と比較して高いことが明らかにされ、症例数は少ないものの (4症例)、DNAマイクロアレーを用いたCNA解析において、多数の染色体領域でDNAコピー数の増加および減少が認められた。これらの所見より、胃腺窩上皮癌は胃癌において独立した組織亜型であり、通常型分化型胃癌と比較して、分子病理学的特徴が異なり、より悪性度の高い組織亜型である可能性が推測された。これまでの解析は症例数も少なく(42例)、多くの症例は粘膜内癌であり、加えてパラフィン切片を用いた解析であること等の様々な制約があり、充分な分子解析が行えていない。また、実臨床を考慮すると、低異型度の病変が多いことから生検診断が難しい症例が多く、病変の早期発見・早期治療を考える上で問題であると考えられる。これらの点を解決するためには、内視鏡像との充分な対比を行った上で、生検サンプルを用いた分子異常の確認を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胃癌の中で腺上皮型胃癌の頻度はそれほど窩くなく、症例の集積が充分に達成できていないのが現状である。加えて、生検検体の集積も同様に充分な数に達していない。また、生検検体は微小な組織であることが多く、パラフィン包埋切片らはは分子解析に十分なDNA量を確保することが非常に困難であり、充分な解析が行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
内視鏡切除検体および生検検体について、引き続き症例の集積を行う予定である。分子解析については、微小な検体についても解析が可能である手法を模索し、解析可能な検体を増やす必要があると考えている。今回の研究で得られる情報についてはこれまで報告がなく、腺窩上皮型胃癌の特徴、臨床への情報提供に関しても重要な情報となる可能性があり、引き続き推行く予定である。
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Causes of Carryover |
研究に使用する試薬には海外発注を行っている商品も含まれており、価格や為替レートの変動により、個々の商品の支払額に差異が生じたと考えられる。
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