2022 Fiscal Year Research-status Report
HPV非関連型子宮頚部腺癌の浸潤性予測マーカー探索:EMT関連遺伝子に着目して
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21K06917
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
外岡 暁子 公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 研究員 (60404589)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子宮頸部腺癌 / HPV非依存性 / 胃型 / NGS / LEGH |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頚部腺癌のうち、ヒトパピローマウイルス(HPV)非依存性の腺癌では浸潤性が強く化学療法の効果が出にくい胃型腺癌が良く知られている。この胃型腺癌の多くは形態的に淡明な胞体を持つ円柱状細胞からなる典型像を含み診断は比較的容易であるものの、一方でその細胞像の特徴をほとんど有さないが浸潤性の強いHPV非依存性腺癌に遭遇することがある。 本研究は、このような腺癌を集め、その形態的特徴や免疫組織学的特徴を整理し、遺伝子発現解析を行って浸潤性を特徴づける遺伝子発現の有無を検討すると同時に、これらの腺癌の遺伝子発現パターンからその組織分類について再考察することを目的としている。 令和3,4年度ではこれらの症例抽出を行い、組織型検討、免疫染色を行い、形態的には粘液産生の程度に差があるものの、同じ群として扱うことが許容できると判断した。 遺伝子発現についてNGSを用いて検索することを検討したが、腫瘍細胞含有量が低いことから実現に至らなかった。一方で、これらの腺癌の背景にLEGH(分葉状子宮頸管過形成)があることが多いことから、LEGHとこれら腺癌の関係性、および癌に特徴づけられる遺伝子変異を確認すべく数例で全エクソン解析を行い、現在データの解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胃型腺癌の腫瘍細胞含有量が少ないことに対しての対応策が不十分で、数例の全エクソン解析にとどまったため。その結果は現在解析中であるが、想定とやや異なる結果であることから今後の方針を決定することに時間をとられているため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に施行した全エクソン解析の結果から対象とする腺癌におけるドライバー変異および浸潤性に影響しそうな遺伝子変異を抽出する。症例数を増やしてデータを検証する。特にLEGHとの関連について検討を進め、それをもとに癌における特徴的な遺伝子変異の抽出を試みる。
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Causes of Carryover |
遺伝子解析が想定より少数にとどまったことが大きな要因である。次年度に症例数を増やして検討する予定である。
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