2022 Fiscal Year Research-status Report
卵巣奇形腫におけるゲノムインプリンティング異常と分化成熟度の関係性の解明
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21K06921
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
加藤 哲子 弘前大学, 大学院保健学研究科, 教授 (40312730)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲノムインプリンティング |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣成熟奇形腫3例、卵巣未熟奇形腫1例、卵黄嚢腫瘍5例について、以下の検討を行った。 1.それぞれの手術材料(ホルマリン固定パラフィン包埋材料)から腫瘍部、非腫瘍部のDNAを抽出した。未熟奇形腫では未熟成分、成熟成分、および顕微鏡的な卵黄嚢腫瘍成分を分けてDNAを抽出した。奇形腫では4例中4例で量的及び質的に解析可能なDNAが得られたが、卵黄嚢腫瘍では5例のうち1例は解析に不適と判断された。 2. 卵巣の成熟奇形腫3例、未熟奇形腫1例および卵黄嚢腫瘍4例についてMS-MLPA(methylation-sensitive multiplex ligation-dependent probe amprification)解析を行なった。未熟奇形腫では、未熟成分、成熟成分および顕微鏡的な卵黄嚢腫瘍成分を分けて解析した。成熟奇形腫におけるインプリント遺伝子のDNAメチル化状態はmaternal imprintingのパターンであったが、卵黄嚢腫瘍ではランダムなパターンであった。一方で、未熟奇形腫に伴う顕微鏡的な卵黄嚢腫瘍成分は、未熟成分、成熟成分と同様、maternal imprintingのパターンであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
卵巣の成熟奇形腫、未熟奇形腫、卵黄嚢腫瘍におけるゲノムインプリンティングを比較検討し、それぞれのパターンを知ることができた。卵黄嚢腫瘍では、純型か奇形腫合併かでゲノムインプリンティングが異なる可能性も示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数をさらに増やし、播種・転移の病巣も加えてMS-MLPA解析を進める。
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Causes of Carryover |
研究材料の中に解析不適と判断されたものがあったこと、また得られた結果に予想外の内容があり、その確認の再解析を行なったため、当初の予定より症例数が少なくなったことが理由である。次年度は当該年度に足りなかった分の解析と次年度計画分の解析を、次年度使用額及び翌年度分として請求した助成金を合わせた予算で進める計画である。
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