2022 Fiscal Year Research-status Report
Identification of apoE-related glomerulopathy using renal biopsy specimens.
Project/Area Number |
21K06930
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
長濱 清隆 杏林大学, 医学部, 准教授 (00336538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福冨 俊之 杏林大学, 医学部, 助教 (30439187)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | apoE関連腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、過去の腎生検検体を用いて免疫染色等によりapoEの沈着の有無について検討し、後方視的に新たなapoE関連腎症を同定し、その予後をすることを目的としている。令和4年度は、前年度に引き続き、APOE遺伝子型の同定のため、Sanger sequenceにより塩基配列を決定するための条件検討を行った。種々の条件検討の結果、パラフィン切片から抽出したDNAを用いて、apoEのExon領域すべてについて塩基配列を決定することに成功した。さらに、倫理申請を行った上で、apoEと同様にリポ蛋白の一種で、巣状糸球体硬化症との関連が指摘されているapoL1についても、変異ホットスポット領域に関しても、Sanger sequenceを用いた塩基配列の決定を試みた。結果的に、apoE同様、腎生検検体のパラフィン切片から抽出したDNAを用いて塩基配列を決定することができた。 そこでこれらの方法を用いて、前年度に行った免疫染色の結果からapoE腎症が疑われた2症例について、apoEおよびapoL1遺伝子の塩基配列を確認した。しかしながら、2症例いずれにおいてもapoE全exon領域およびapoL1変異ホットスポット領域に遺伝子配列の異常は見いだせなかった。 また、apoEに対する免疫染色は前年度同様、膜性腎症と診断された症例に対して継続して施行した。当初の予定である過去10年分の膜性腎症症例については全て検討を行った。また、膜性腎症以外でも、蛍光免疫染色にて沈着物が認められない増殖性腎炎に関して、同様の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記概要に記載した通り、パラフィン切片から抽出したDNAを用いて、apoEのexon領域全長の塩基配列を Sanger sequence にて決定することに成功した。ただし、apoE腎症と最終的に断定できる症例を見出せていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは質の高い核酸を抽出するため、10年前までの腎生検検体に限定していたが、今後はパラフィンブロック作成から10年以上経過する症例について、apoEに対する免疫染色およびSanger sequenceを施行する予定である。また、膜性腎症以外の疾患で、光顕上、免疫複合体の沈着が示唆される疾患で、蛍光免疫染色上、沈着が見られない症例についての検索を進めるとともに、関連病院において、apoE腎症が疑われるような同様の症例がないかどうか、検索を追加する。
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Causes of Carryover |
apoE関連腎症を疑われるような症例が予想以上に少なく、塩基配列の決定等に用いる分子生物学的試薬の消費が少なかった。
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