2023 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of apoE-related glomerulopathy using renal biopsy specimens.
Project/Area Number |
21K06930
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
長濱 清隆 杏林大学, 医学部, 准教授 (00336538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福冨 俊之 杏林大学, 医学部, 助教 (30439187)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糸球体腎炎 / apoE / 沈着症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、過去の腎生検検体を用いて免疫染色等によりapoEの沈着の有無について検討し、後方視的に新たなapoE関連腎症を同定し、その予後を明らかにすることを目的としている。apoE関連腎症は、apoE遺伝子の変異により、apoEタンパク質が腎臓に沈着し、腎機能障害を引き起こす比較的稀な疾患である。早期発見・治療が予後改善に重要であるが、症例数が少ないため、その実態は十分に解明されていない。
昨年度までの研究により、apoEのエクソン領域について塩基配列を決定することに成功したものの、杏林大学医学部付属病院で行われた腎生検検体のうち2症例についてapoE遺伝子配列を確認したが、異常は見出せなかった。令和5年度は、まずは我々が確立した方法の妥当性を検討するため、他施設の研究者に相談し、倫理委員会の許可を得た後、すでに論文報告がなされているapoE腎症の症例2例について解析を行った。結果、論文に発表されている通りの遺伝子配列異常を検出することができ、我々の方法の有効性を確認することができた。
続いて、杏林大学医学部の過去10年分の腎生検検体から、免疫複合体以外の沈着物が疑われる症例を10例程度抽出し、apoE遺伝子の配列を検討したが、残念ながらいずれにも遺伝子異常は同定されなかった。今回の研究では新たなapoE関連腎症の症例を見出すことはできなかったが、本研究計画で確立した解析方法を用いることで、今後より多くの症例のパラフィン切片を集積し、短期間でapoE遺伝子の解析を進めることが可能となった。
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Research Products
(3 results)