2022 Fiscal Year Research-status Report
前立腺導管癌の分子生物学的特徴及び治療予測への人工知能の応用
Project/Area Number |
21K06933
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
都築 豊徳 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70627645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 陽一朗 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, チームリーダー (00573247)
小林 恭 京都大学, 医学研究科, 教授 (00642406)
羽賀 博典 京都大学, 医学研究科, 教授 (10252462)
佐々 直人 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50437026)
高原 大志 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50790317)
溝脇 尚志 京都大学, 医学研究科, 教授 (90314210)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 導管内癌 / PTEN欠失 / TMPRSS2-ERG融合遺伝子 / 人工知能 / 予後不良因子 / 治療奏功予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌においてTMPRSS2-ERG融合遺伝子の存在並びにPTEN欠失は予後不良であることが報告されている。そのほとんどは白人並びに黒人の前立腺癌患者が対象であり、日本人を含むアジア人(黄色人種)のデータに関する報告はほとんどない。我々は、欧米人(黒人を含む)と比較して、日本人のTMPRSS2-ERG融合遺伝子の頻度が少ないことを報告している。しかしながら、その症例数は限定的であった。今回は前立腺癌全摘除術を行った患者を対象として、免疫染色によるPTEN欠失とTMPRSS2-ERG融合の有無の検討を行った。今回の研究では日本人におけるPTEN欠失及びTMPRSS2-ERG融合の頻度の研究は順調に進み、欧米人と比較して、その頻度が有意に低いことを認めることが出来た。このことから、日本人と欧米人の前立腺癌には人種的な差が存在することを示すことが出来た。また、この結果は日本人の前立腺癌患者の予後が欧米人と異なる原因一つである可能性を示すと同時に、アジア人に対する最適化した前立腺癌治療の基礎知識となると考えている。上記内容は既に投稿を行っており、現在は査読中である。 高リスク前立腺癌に対して放射線治療を行った患者における前立腺導管内癌 (IDC-P)の有無と予後との関係を示した。最終的には有意差はつかなかったが、IDC-Pを有する患者の予後は不良である傾向を示すことが出来た。この結果は文献的にも数本のみで、日本人を含め、アジア人を対象とした初めての報告である。本内容は既に論文として発表した (Cancer Sci. 2022;113:2425-2433. )。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本人におけるPTEN欠失及びERG転座の頻度の研究は順調に進み、欧米人と比較して、その頻度が有意に低いことを認めることが出来た。このことから、日本人と欧米人の前立腺癌には人種的な差が存在することを示すことが出来た。本内容は論文として投稿が行われ、現在は査読中である。 高リスク前立腺癌に対して放射線及び抗アンドロゲン治療を行った患者における前立腺導管内癌 (IDC-P)の有無と予後との関係は既に論文として発表した (Cancer Sci. 2022;113:2425-2433. )。単変量では有意差を認めるも多変量解析では有意差はつかなかったが、IDC-Pの存在は予後不良因子であること示した。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの画像解析では畳み込みニューラルネットワーク(CNN)が主流であったが、近年様々な新しい機械学習技術が提案されている。その中の一つとして現在注目を集めているのが、chatGPTでも使用されているAttention機構を用いた「Transformer」を画像解析に応用したVision Transformer(ViT)である。そこで本研究ではVitを基盤とした病理画像解析技術を構築した。Vitのメリットとして、CNNを上回る予測精度と説明可能性の向上が挙げられるが、一方でデメリットとしてVitが対応できるだけのデータ量の確保が求められる。現在、VitベースおよびCNNべースの病理機械学習技術を用いて前立腺生検画像を解析し、それぞれの適応について比較検討中である。 IDC-Pの腫瘍細胞の性格を精緻に検索する目的で、10xgenomic社のvisiumを用いた空間的RNAトランスクリプトーム解析を試みている。現時点では既に資料を提出しており、解析待ちの状況である。
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Causes of Carryover |
空間的トランスクリプトーム解析であるvisiumの検索を追加で行っており、総額200万円の費用を要した。その一部を科研費を用いたことにより、予定よりも費用が必要となった。
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Research Products
(1 results)