2021 Fiscal Year Research-status Report
癌微小環境からみたトリプルネガティブ乳癌の発癌メカニズムに関する病理学的解析
Project/Area Number |
21K06934
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
森谷 卓也 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00230160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅林 淳一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10248255)
西村 広健 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70368661)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳癌 / 非浸潤性乳管癌 / 癌微小環境 / 免疫組織化学 / 病理組織 / トリプルネガティブ / P4HA / HIF |
Outline of Annual Research Achievements |
「非浸潤性乳管がんの微小環境に関する病理学的研究」というタイトルで、川崎医科大学および川崎医科大学附属病院の倫理承認を得て研究を開始した。まず、過去に非浸潤性乳管癌の手術が行われた260例の臨床病理データベースを作成した(森谷、紅林)。本研究の準備として、免疫組織学的検索を予定している、コラーゲン代謝の主要な翻訳後修飾を担う物質のprolyl-4-hydroxylase (P4H)(サブユニットップ1および2)について、浸潤癌における発現とその意義を、第110回日本病理学会総会(2021年4月、東京)で発表した(森谷、西村、紅林)。P4Hは非腫瘍部と比べて腫瘍部にて発現が亢進すること、P4HA1に比してP4HA2ではより悪性度が高い症例に発現が見られること、P4HA1とP4HA2発現には相関があり、虚血に関するマーカーのHIF(hypoxia inducible factor)-1alha発現と相反する関係あることを明らかにした。その結果をもとに、データベースから抽出した非浸潤性乳管癌100例に対し、P4HA1, P4HA2, さらにであるHIF1 alphaとHIF2alphaを加えて染色を行った。それぞれの発現状況と臨床病理学的意義、浸潤癌との差異などについて、現在解析中である(森谷、西村)。また、癌組織の免疫微小環境を探索する目的で、PD-L1、PD-L1と同じB7ファミリーに属するB7-H4、および抗腫瘍免疫の回避に関わるIndoleamine 2,3-dioxygenase 1(IDO-1)について浸潤性乳癌での免疫組織染色を行った(森谷、西村)。その成果を第111回日本病理学会総会(2022年4月、神戸市)にて発表し、追って非浸潤性乳管癌でも染色を行って、浸潤癌の微小環境との対比を試みる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに研究対象とする症例のデータベースが完成している。免疫組織化学的検索の対象とするタンパクについては、別途浸潤性乳癌における発現を検討しており、染色手法や評価法が確立した状態で、本研究への応用が容易な状況である。また、結果は浸潤性乳癌とも比較することができる環境が整っており、十分に研究が展開可能な状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに研究対象とする症例のデータベースが完成している。免疫組織化学的検索の対象とするタンパクについては、別途浸潤性乳癌における発現を検討しており、染色手法や評価法が確立した状態で、本研究への応用が容易な状況である。また、結果は浸潤性乳癌とも比較することができる環境が整っており、十分に研究が展開可能な状態である。
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Research Products
(4 results)