2022 Fiscal Year Research-status Report
鼻副鼻腔癌における個別化治療に向けた発癌メカニズムの解明
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21K06940
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
佐々木 英一 愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, 研究員 (00817116)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 鼻副鼻腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
鼻腔や副鼻腔に発生する上皮性の悪性腫瘍である鼻副鼻腔癌は頭頸部癌全体の3%程度とまれな癌腫である。しかしながら、その組織像や病因はさまざまである。具体的には、内反性乳頭腫や好酸性乳頭腫などの乳頭腫病変を由来とする癌、HPV(ヒトパピローマウイルス)関連の腫瘍、SWI/SNF クロマチンリモデリング複合体欠損関連の未分化腫瘍、などが挙げられる。 鼻副鼻腔癌を対象としたこれまでの検討により、HPV関連腫瘍が約10%、EGFR遺伝子変異陽性の内反性乳頭腫由来の腫瘍が約30%、に認められた。HPVとEGFR遺伝子変異は相互排他的に認められた。EGFR変異を有する癌は変異陰性の癌に比べて予後不良の傾向が認められたほか、HPV関連腫瘍では予後が良好であった。 残りの60%程度のEGFR遺伝子変異陰性かつHPV陰性の症例では、これまでの既知の異常として、SMARCA4やSMARCB1などのSWI/SNF クロマチンリモデリング複合体欠損、IDH2遺伝子のコドン172における変異、NUT融合遺伝子、などの存在が推定される。これらは、NUT、INI1、BRG1、IDH2 R172変異特異的抗体、などによる免疫染色でのスクリーニングが可能であり、検討を行っている。さらに、最近では、低異型度の鼻腔の腺癌においてETV6::NTRK3融合遺伝子が報告されており、こうした新規融合遺伝子の検出も試みているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
鼻副鼻腔癌は希少癌であり、症例の蓄積に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
HPV陰性かつEGFR遺伝子変異陰性の鼻副鼻腔癌の特徴を明らかにするために、検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
症例の蓄積に時間がかかっており、使用額が予定よりも少額となった。症例集積を進めながら、集積された症例に関しては解析を行っていく予定である。
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